レンズキャップを付けずにレンズをカバンに放り込む。
そういうと驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんね。
私は単焦点レンズを好んでよく使います。
単純に画質がズームレンズより良いですし、限られた画角で構図を考えるのが好きなんです。
ただ、単焦点レンズをメインにしていると問題になるのが「レンズ交換」。
画角を変えたい、と思ったときはレンズをボディから外し、前玉と後玉のレンズキャップを付け、新しいレンズの前玉と後玉のレンズキャップを外してボディに取り付けて……という面倒な作業が発生します。
ぶら下げるタイプのレンズホルダーを使うなどしてレンズ交換の高速化を試みたこともありましたが、ぶらぶらするのが邪魔くさくて長続きしませんでした。
どうにかレンズ交換を高速化できないものか。
常にそう思いながらガチャガチャとレンズ交換をしてきました。
でも昨年の中ごろふと思ったんですよね。
「これ、レンズキャップする必要あるのかな?」
カメラバッグの中はレンズにふれるものが何もありません。なのに毎回レンズ交換のたびに前玉と後玉にキャップを付け外しするのは意味があるのかな、と。あったとしても細かなホコリやチリが付くかどうかくらいなのでは?
そこで恐る恐るではあったものの、レンズの前玉と後玉のレンズキャップを外し、カメラバッグにそのまま放り込んで撮影にでかけました。
結果・・・いい。ものすごくいい。
なんでしょう、これまで単焦点レンズに抱いていたイメージが一掃されるほどの革命が起こりました。
レンズキャップを外しっぱなしにしておくと、とにかくレンズ交換が早いです。
カバンを開けてボディからレンズを外して収納。その後、新しいレンズをはめる。その間わずか数秒。
信じられますか? ズームレンズでもないのに一瞬で画角を変えることができるんです。レンズのキャップを外しっぱなしにするだけで。
ただ、この方法は使っているカメラバッグによるのも事実です。
バッグの形状や素材によっては、うまくこの方法が機能しない場合もありそうです。
なので、ここまで感動するにいたった私のカメラバッグと使い方について紹介したいと思います。
私が使っているカメラバッグは、初代Peak Design EVERYDAY SLING 10Lです。
初代、というだけあって現在は二代目のPeak Design EVERYDAY SLING 10Lが販売されています。初代はオークションやフリマアプリじゃないともう手に入らないかもしれません。
このカメラバッグ内をベルクロで三分割し、そこにレンズキャップを外したレンズを、前玉を下にして入れます。
実際にレンズを入れたところ。
仕切られた一番右には、レンズを付けっぱなしのボディがそのまま入るようにしています。
ご覧いただいているように、この状態でレンズを持ち運んでもレンズの前玉や後玉に傷をつけるようなモノが特にないんですよね。後玉の電子接点にバッグのフリップ部分が触れることがあるのかな? ぐらいなものです。
ポイントとしては、レンズをカメラバッグに入れる際に「レンズフードを付けっぱなしにすること」です。レンズフードを付けっぱなしにすることで、レンズの前玉が直接カバンの底部に触れることを防ぎます。
しかしこれで問題になってくるのが「レンズフードがでかすぎる問題」。そう、レンズフードが長すぎて収納に収まりきれない、というわけです。
そのため、私は長すぎる純正フードは使わずに、ステップアップリング・ステップダウンリングを用いて簡易レンズフードとして使っています。
レンズフードを買うより「ステップアップリング + ステップダウンリング」を買ったほうが良い理由
レンズフードを変えることでスッキリ収納できるようになりました。
画質を追求すれば純正のレンズフードを付けたほうがいいのは理解できますが、それで持ち運びが困難になって使わないのでは本末転倒です。わたしはレンズフードは画質のためではなく「前玉の保護」とわりきっています。
HAKUBAやKenkoから発売されているメタルフードでも問題はないと思います。わたしはNDフィルターの使いまわしなどの都合で、ステップアップリングをレンズフードのようにして使っています。
レンズキャップを付けていない状態だと、ホコリやチリがレンズに付く可能性が高いので、ブロアーの携帯は必須です。私は以前このブログで紹介したVSGOのブロアーを、カメラバッグのフリップ部分の収納に入れています。このブロアーはコンパクトで携帯しやすくてオススメです。
いうまでもないとは思いますが、レンズを入れているメイン収納部分には、レンズペンやレンズキャップなどの小物を絶対に入れてはいけません。当たりどころによってはそれらがレンズを傷つけてしまう可能性があります。
私はレンズキャップや小物はメイン収納脇にあるスペースに収納しています。
この方法で一日撮影し、家に帰ってきたらすべてのレンズ・ボディをブロアーで掃除してからレンズキャップをして収納します。
この方法をするようになって半年ぐらい経ちますが、今のところレンズに傷や汚れが付いてしまうようなことはありません。
今となってはこの方法でダメな理由がわからなくなってしまいました。
当初はホコリやチリがよく付くのではないかと思っていましたが、意外にもそんなに頻繁に付かないものです。付いていた場合はブロアーで吹き飛ばせばいいだけです。
レンズの電子接点が汚れるのではないかと心配になりましたが、特に汚れが目立つようなこともありません。砂埃が舞うような場所でもない限り問題はないのかな、と。こちらも汚れたら綿棒で掃除すればいいだけです。
なんでこれまで律儀に毎回毎回、レンズに前玉も後玉もキャップしていたんでしょうね。あまりにも考えなさすぎたかな、と。
今思えば、レンズって傷や汚れ、湿気から守らなくてはならないと過保護に考えすぎていた気がします。
たしかにレンズってすごく高いですからね。
大事に丁重に扱いたくなる気持ちはよくわかります。わたしもずっとそうでした。
ただ、そのせいでレンズ交換が億劫になってレンズを活用できなければ本末転倒です。カメラもレンズも道具にすぎません。使わなければ何も私たちにもたらしてくれはしません(所有欲は満たされたりしますが)。
レンズは高価ですが、大切にしていたからといっていい写真を撮らせてくれるわけでもないんですよね。むしろ荒々しく使うぐらいだといい写真が撮れるようになるのかもしれません。
こういってはなんですが、そもそもガラスって傷がつきにくいですよね?
相当な衝撃で尖った角にでもぶつけなければ、傷なんてそうそう付かないと思うんです。
私はスマホにガラスフィルムをはっていますが、使っているうちに汚れはしても傷がつくようなことってないんですよね。
どうしても心配な方は、前玉にはレンズの保護フィルターを付けて、後玉にレンズキャップする、などでもいいかもしれません。交換速度は落ちますが、安心感はだいぶ増すと思います。
今回紹介した方法は、あくまで私の場合の話です。カバンや手持ちのレンズにもよると思いますので、本記事をみてお試しになる方は、くれぐれも注意して自己責任でお試しになってください。