昨日、レンズ選びは慎重にしなければ、という記事を書いたばかりなのですが・・・本日発売になったSONY フルサイズEマウント対応の超広角ズームレンズ「TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD(Model A046)」を買ってしまいました。
カメラの世界は一夫多妻制 – レンズ選びに悩んで「2つとも買っていらないほうは売ればいい」という思考は危険だという話
これでこの1ヶ月間で5本のレンズを買ったことになります。
一応、言い訳としては、TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXDは発表直後に予約していたので、昨日の記事の有効範囲外なんです!という・・・なんの言い訳にもなっていませんね。別に予約をキャンセルすることができましたからね・・・。
ともかく買ってしまったものは仕方がありません。
気を取り直して17mmという超広角の世界を存分に味わうことにしましょう。
TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD(Model A046)
というわけで、今回買って「しまった」のはTamronから今日7月25日に発売されたばかりのフルサイズEマウント対応の超広角ズームレンズ「TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD(Model A046)」。
製品名 | TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD(Model A046) |
---|---|
焦点距離 | 17-28mm |
開放F値 | F2.8 |
フィルター径 | 67mm |
最短撮影距離 | 19cm(広角) / 26cm(望遠) |
重さ | 420g |
価格 | 137,500円 (税込) |
購入 | Amazon / 楽天 / マップカメラ(楽天市場店) |
公式HP | タムロン 17-28mm F/2.8 Di III RXD (Model A046) 製品情報 | Eマウント | 超広角ズーム レンズ – TAMRON |
ファーストインプレッションは「小さッ!」「軽ッ!」。このサイズと軽さでズームレンズだというから驚きです。
単焦点レンズなのに超重量級のSEL50F14Zは、この軽さとサイズを見習ってほしい。
つや消しの質感がたまりません。
質感は、昨年発売された「TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD」と同じですね。
というわけで、そのTAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXDと、TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXDの比較。
TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXDも軽くて十分コンパクトレンズに感じていましたが、TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXDは、さらにその上をいきます。本当に小さい。
フルサイズEマウント対応のカメラを持っている人であれば、所有しているであろう単焦点の人気レンズSEL55F18Zとの比較。
さすがにSEL55F18Zのほうが小さいですね。
α7IIIに装着したところ。
うーん、本当に小さい。
TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXDは、ボディへの装着感がとても良いです。
レンズサイズ自体はSEL55F18Zのほうがコンパクトでしたが、TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXDは、ボディに装着するとコンパクト感を損なわぬままで手馴染みがとても良いんです。これを持って外にでかけたい!という気持ちにさせてくれます。
レンズフードを装着してもこのとおり。コンパクト感を損ないません。
ただ一点、注意したほうが良いかもしれないのは、レンズフードが浅く、レンズ自体も前面に出ているような感じですので、レンズプロテクターは付けておいたほうが良さそうです。私はKenkoのMCプロテクター(67mm)を装着しました。
TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD の 作例
ここからはTAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXDで撮影した写真の作例をいくつか掲載したいと思います。
すべてjpg撮って出しで、ほぼ広角端の17mmでの撮影です。
17mmでのボケ感。
同じ場所から撮影した17mmと28mmの比較画像。
この写真は17mmで、
こちらが28mmです。
ショベルカーのアームが切れてしまいました。
このレンズの良いところでもあり、悪いところでもあるのが超広角であること。
田んぼを一面緑色の絨毯のように写そうとしたのですが、手前側がどうしても入ってきてしまいます。
それなりに近づいてもまだ入ってます。
田んぼのキワまで行ってようやく不要な部分を消すことができました。これ、結構たいへんです。
超広角レンズの定番の空。
いい感じに外側に向かって雲が流れています。
このレンズは最短撮影距離が広角端17mmで0.19mと、かなり寄れるレンズです。
パースがつくので被写体をど真ん中に置かないと歪んでしまいますが、うまく活用すれば面白い写真を撮ることができそうですね。
端に車と電柱を入れてみました。17mmはかなりパースがつくのがよくわかります。
花を撮影してみました。こちらに迫ってくるような迫力がありますね。
お地蔵さんが並ぶ小屋。これを超広角のパースを活かして撮ると、
こうなります。
この歪みをうまく使えるようになりたいものです。
最後にブツ撮り写真を。これは17mmの最短撮影距離で撮影したiPhone XSです。
0.19mという最短撮影距離は、被写体にレンズフードがくっつくくらいまで寄ることができます。
ただ、17mmでの撮影は気をつけないとこのように被写体が歪んでしまうので注意が必要です。ブツ撮りはパースのつかない望遠レンズを使え、といわれるのはこういうことなんですね。
TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD のレビュー
最後にこのレンズを少しだけ使ってみた感想について書いてみたいと思います。
正直な話、このレンズは「使いにくい」と思いました。
17mm-28mmというのは、思った以上に余計な要素が写真の中に入ってしまいます。
特に17mm側は使いにくさが半端ないです。
17mmというのは、あなたの今みている視界よりちょっとだけ狭いぐらいの広さ。とにかく広すぎるんですね。
写真の初心者だと「広すぎて何が悪いの?広く写ったほうがよくない?」という疑問をもたれる方もいらっしゃるかもしれません。かつての私がそうでした。
実はここがこのレンズを評価する上での最大のポイントになってくると思います。
このレンズの望遠端は28mm。ちょうどiPhoneで撮影するのと同じくらいの広さなんですね。
その事実を捉えてTAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXDをこう評する記事をよくみます、「iPhoneと同じ画角だから普段使いにもいい」。
個人的にはそれは間違いであると感じています。
ん十万円もするフルサイズカメラを手にする人は、そもそも作品撮りをしたい人が大半ですよね。日常の記録をしたいわけではありません。
たしかに日常の記録という意味においてiPhoneの28mmという画角は優秀です。大抵のものを余すことなく写真の中に入れ込むことができます。
しかし、作品撮りをしたい人にとって28mmという画角は広すぎて難易度が高すぎます。写真の中に色々と入り込んでしまうと、何をいいたい写真なのかまったくわからなくなります。情報量が増えすぎてしまうので、きちんと整理して写真を撮れる人でなければ使いこなせない画角といえます。
せめてこのレンズの望遠端が、他の超広角ズームレンズのように35mmまであったら初心者にも使いやすかったと思いますし、日常的に常用もできたと思います。17mm-28mmというのは目的がハッキリしているので、超広角目当てに購入される方には向いていると思いますが、これ一本ですべてをまかなうような目的には向いていません。TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXDを買われるほうがいいですね。
「せめて望遠端が35mmだったら・・・」
このレンズを買った多くの人がこういう感想を持たれると思います。
TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXDという超人気レンズがあり、その流れでTAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXDを買うと失敗するかもしれません。17mm-28mmという画角は本当に扱いにくいので気をつけてください。
先述しましたが、個人的にはTAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXDというレンズは万人向けのレンズではなく、超広角〜広角という目的に特化した撮影をされる方に向けたニッチな立ち位置のレンズなのだと考えます。
最後にこのレンズに向いている人を私なりに考えてみますと、沼にすまう人々だと思います。沼。そうレンズ沼。このレンズは沼の中でこそ輝く蓮の花のようなものです。
色んな焦点距離のレンズをお持ちの方で、ぽっかり超広角域のレンズだけをお持ちでない方、そういう方がパズルの最後のピースをハメるように買われるにはよいのかな、と思います。
TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD
フォクトレンダー NOKTON 40mm F1.2 Aspherical
SEL50F14Z
SEL55F18Z
SEL85F18
↑私が所有するレンズの一覧です。
ちょうど超広角域を担当するレンズを持っていなかったため、このレンズがぴったりハマりました。
ただ、焦点距離パズルとしてはハマりましたが、個人的にはこのレンズの扱いにくさをどう捉えたらいいものか悩みます。
初心者の方は、くれぐれも最初の一本にこのレンズを選ばないように注意してください。TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXDは、iPhoneと同じではありません。iPhoneとフルサイズカメラはそもそもの目的が違います。目的が違えば画角が意味するところも変わることに気をつけてください。
なんだかネガティブっぽい評価になってしまいましたね。
初心者が超広角を手にしたばかりの正直な感想はそうなってしまうのかもしれません。
慣れてきたらまた考え方も変わってくるのでしょうか。
あ、そういえば画質についてはまったく触れていませんでしたね。
細かいことをいえば何かしらあるのかもしれませんが、私のような初心者にはすべて一緒。そもそもフルサイズの写真はすべての写真がキレイ。以上。
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