カメラを買う。
ボディやレンズ選びにはじまり、カメラバッグや三脚。
たくさんの種類があるカメラ用品の中からひとつを選ぶのは大変ですが、とても楽しい時間です。
ようやくすべてを揃え、「さぁ、写真を撮ろう!」となった時、アナタは気がつきます。
「あれ、何をどう操作したらいいのかさっぱりわからない・・・」
大慌てでAmazonでカメラ専門書を買って読んでみるも、
「専門用語だらけ。覚えることだらけで何をいっているかわからない・・・」
人は難しいと思うものには近寄らなくなっていくもの。
気がつけば高額なお金を注ぎ込んで買ったカメラは埃をかぶり、数ヶ月後にはメルカリの便利さを知ることになるのでした。
〜 END 〜
そんな悲しい事態にならぬようあなたを導いてくれるのが、今回紹介する「カメラはじめます!」という本です。
カメラはじめます!
「カメラはじめます!」は、一言でいえば「カメラの基礎が漫画でわかる本」ということになります。
私はこの本を最初に読まなかったことを今、ひどく後悔しています。
カメラ操作や写真撮影の専門書は大量に出版されていますが、先述のようにとにかく専門用語や覚えることだらけ。
カメラ操作や写真撮影の知識を網羅的に扱おうとすると、そうなってしまうのは理解できるのですが、あまりにも初心者に優しくないのです。
その点、カメラはじめます!は、女子ウケしそうなユルフワのいい意味で脱力感のある漫画で、カメラの基礎知識を学ぶことができます。
よくある要点だけが漫画で後はテキスト、のようなことはなく、完全にすべての内容が漫画形式です。
カメラという精密機械かつプロフェッショナリズムを発揮しがちな無骨なイメージとは、まったく真逆のタッチの画が初心者には心地よく、安心感があります。
本書では「3つのコツで思い通りに撮れる!」ということが繰り返しアピールされています。
この3つというのは、
1.ボケ
2.明るさ
3.色
のこと。
本書ではこの3つを軸にカメラの操作方法や写真撮影を教えてくれています。
上記の要素を他書でありがちな専門用語に置き換えると、
1.絞り
2.露出
3.ホワイトバランス
ということになります。
難しそうでとっつきにくく感じられますよね。
カメラはじめます!では、初心者が混乱するような専門用語は、わかりやすい言葉に置き換えて教えてくれるので安心です。
わかりやすいからといって必要なモノが欠けているということはありません。
写真をはじめた人が「撮りたい!」といいそうな具体例は一通り掲載されています。
本書は、ボケ、明るさ、色、の3つを軸に解説されているものの、具体例の部分ではシャッタースピードやISO、フォーカスや構図についても解説されています。
つまり本書でもカメラの一通りの機能について解説されているのです。
だからといって解説がわかりにくくないのが本書の秀逸なところ。
写真をやりはじめるとわかってくることなのですが、カメラの設定というのは相対的に決まるもの。
わかりやすいところでは、絞りを開放すればシャッタースピードが早くなり、絞ればシャッタースピードが遅くなる、などですね。
すなわち最初に、ボケ、明るさ、色、を覚えてしまえば、後の機能はそれらを軸に自然に理解できるようになるのです。
具体的な撮影例については他で応用が効きやすいものが掲載されていて、本当によく厳選されていると感じました。
というか、私がカメラをはじめてから今日にいたるまで「撮りたい!」と思った写真の撮り方は、すべて掲載されているのではないかと。
念のため注意点も書いておきますが、本書はカメラ操作や写真撮影については十分な内容になっていますが、「現像」については一切ふれられていないのでお気をつけください。
RAWで撮影してきてLightroomのような現像ソフトで現像するのは万人がやるようなものではないので当然といえば当然なのですが。
これから一眼レフやミラーレスでカメラデビューされる方は、カメラと一緒に購入されることをオススメします。
たった1200円の書籍代で、どんなカメラ用品、アクセサリよりもあなたの写真に貢献してくれること間違いなしです!