アルカスイスってそんなに良い?
ずっとそう思っていたんですよね。
なぜちょっといい三脚を買うと「アルカスイス対応」の雲台になっちゃうんでしょうね。
まるでそれがとても良いことのようにメーカーはアルカスイス対応をうたうのですが、私にはアルカスイス対応の何が良いのかがイマイチわからなくて。
アルカスイスの何がイヤって、わざわざアルカスイス対応のプレートをカメラ側に付けなければならないこと。シンプルじゃないなぁ、そう思っていました。カメラの底部に余計なプレートを付けるのは美しくない。プレートの付け外しにコインが必要になったりする場合もありますよね。キャッシュレスのこのご時世に相応しくない仕様です。
で、さらにアルカスイス対応雲台にカメラを固定するときにも、ネジ止めだったりするわけで。結局、またネジ? プレートをカメラにネジで取り付け、さらにそのプレートを雲台に固定するときにまたネジで止める。
プレートなんてカメラに付けっぱなしで良いじゃん、という人は多いのかもしれませんが、私は先述の理由からカメラ側に常にプレートを付けておくのは気が進まなくて。
RRSなど一部メーカーの雲台は、アルカスイス対応のプレートをワンタッチで取り付けられる「レバー式」を採用していたりするのですが、高価ですしやっぱりプレートをカメラに取り付けなければならない点は変わりません。
細かいことをいえばアルカスイスは精度が〜などの理由はあるのかもしれませんが、ミラーレスカメラをiPhoneの延長だと思っている私には無縁の話なのかな、と。
もうアルカスイスに疲れました。
私はマンフロットのPIXIみたいなのがいいんです。必要なときにサッと付けて不要なときにサッとはずせるような。
脱アルカスイスしよう。
そう決めてカメラ直付けタイプの雲台を買うことにしました。そしてどうやら一発目で大当たりをひけたようです。
私のようにアルカスイスに疲弊し嫌気がさしている方、これが私たちに必要な雲台だったのではないでしょうか。
Velbon 自由雲台 QHD-53
私が脱アルカスイスのパートナーに選んだのは、信頼と実績の国内カメラ用品メーカーVelbonの自由雲台「QHD-53」。
Velbonからは自由雲台がいくつかサイズ違いで販売されていますが、QHD-53はプレートを使わない雲台で最も大きいです。これじゃないと手持ち三脚に対応するUNC3/8ネジが使えなかった、というのがQHD-53を選んだ直接の理由でした。
ちなみにネジは付属の工具で簡単に3/8と1/4と切り替えられます。なのでどんな三脚でも使えますね。
正直なところ、購入前はカメラ接地部分のコルク? みたいなデザインが古臭くて嫌だなぁ、と思っていました。黒いボディに明るい色だから商品写真では悪目立ちしていたようで、実際に使ってみたら明るい色なので薄暗いところでもネジの位置が見やすくて超実用的な仕様でした。今ではその辺りの事情をわかって選んでいる「玄人感」が三脚からにじみ出ていて気に入っています。
Leofotoの三脚「LS-224C」に装着
前回、大絶賛の記事を書いたLeofoto LS-224Cの雲台に装着してみました。
Leofoto LS-224C + LH-25 のレビュー 三脚沼を抜け出した話
Leofoto LS-224Cとセットで付いてきた雲台「LH-25(画像右)」よりは頭でっかちになってしまいましたが、それでも三脚から雲台がはみ出すようなこともなくピッタリと装着できました。
購入前はQHD-53だと大きすぎるかな、と思っていましたが、ちょうど良かったです。
持ち運びの際は、雲台を横に収納することでコンパクトになるのがいい感じです。
動き滑らか、ピタッ!と止まる
私がQHD-53で最も感動した点がこれ。
QHD-53は気軽に使える自由雲台だというのに、狙った構図でカメラをピタッ!と固定してくれます。
「固定したのに手を話したらカメラ位置がズレた」
自由雲台ではよくある話です。カメラの重量や、三脚の微妙なたわみがその原因です。
ところがQHD-53は保持力が本当にすごくて微動だにしません。ボール式の自由雲台でこんなことが実現できると驚かされます。
QHD-53のスペックを確認してみると、耐荷重は4kgとのこと。なるほど、超望遠レンズ付きのカメラでも保持できるくらいの実力があるわけで。それはカメラとレンズで1kgぐらいの私の機材を載せたところでビクともしないはずです。
しかしあらためて考えてみるとこの大きさで4kgを保持するというのは、脳がバグります。さらに微妙な角度調整までできてしまうというのですから。夏に買った3way雲台の存在意義が……。
自由で素早い角度調整
上下左右、そして縦構図に横構図。
QHD-53はどの方向にカメラを向けるのも一瞬でできます。
その理由は、QHD-53が軽いチカラで固定・解除ができるレバーを採用していることと、雲台の両サイドに大きく開けられた「溝」の仕様によるものです。この両サイドの溝の仕様は、ぜひ他のメーカーさんにも真似してほしい。
雲台には基本的に縦構図などのために溝が開けられているものですが、通常はひとつだけです。そしてこんなに大きく開かれていないものです。
そのため、一般的な雲台ではカメラを縦構図にしようと思うと、まずロックレバーで雲台を緩め、溝の位置を確かめ、溝にはめてから、カメラの角度や位置を調整して、というアクションになります。
この一連の動作がQHD-53だとワンアクションになります。
ロックレバーを緩めたら左右のいずれかにカメラを傾けて構図を決める。終わり。そう、QHD-53の場合は、溝が左右に大きく開かれているため、溝の位置を探さずともどちらかにカメラを倒せば自然に縦構図になるようになっているんです。これ、地味にすごい仕様だと思うんですよね。
QHD-53のロックレバーはひとつしかないので、左右方向へのパンはできないように見えますが、実はロックを軽く緩めることで左右方向へのパンもできます。無論、あまり重たい機材を載せている場合は自重で角度が変わってしまうのでダメですが、私のようにカメラとレンズで1kg前後の機材の場合は軽く緩めることで、パン方向にカメラを振ることができます。パノラマ雲台的に使ったり、動画撮影時に使えますね。
前回のLeofoto LS-224Cの記事でも書きましたが、Leofoto LS-224C + QHD-53のセットで私の三脚沼は終焉を迎えました。もう三脚も雲台も買うことはないでしょう。
私のようにアルカスイスなどプレート取付型の雲台仕様に煩わしさを感じられている方は、ぜひQHD-53をチェックしてみてはいかがでしょうか。