軽くて、コンパクトで、持ち運びしやすくて、素早く設置ができて、高さの出せる三脚が欲しい!
そんなワガママな欲求を叶えるべく、今回はVelbonのトラベル三脚 CUBEというミニ三脚を買ってみました。
Velbon トラベル三脚 CUBE
Velbonのトラベル三脚 CUBEは、新発想の機構を採用したカメラ用のミニ三脚。
箱がなんだか古臭いデザインなのが気になりましたが、発売は2010年とのこと。ロングセラー商品のようです。
「世界最速」
世界最速をうたうカメラ三脚もめずらしいですよね。
その謳い文句が嘘でないのがCUBEのすごいところなんです。
・世界最速セッティング
・スタイリッシュなキューブパイプ
・素材にこだわりの軽量設計
・使いやすい雲台
箱の裏に特徴がまとまられています。
即セッティング、即撤収
Velbon CUBEの最大の特徴は、なんといってもそのセッティングの速さにあります。世界最速をメーカーがうたうぐらいですからね。
三本の石突きを持ったら伸ばすだけ。
たったこれだけで立派な三脚へと早変わり。
「三本の脚を同時に伸ばす」という発想が新しく、これがVelbon CUBEが世界最速の理由です。
5秒あればセッティングができてしまいます。
これだけ早く設置できると、旅先で見知らぬ人に頼んで記念撮影する必要がありません。
見知らぬ人に高額なカメラを預けてさらに構図を要求することは難しいですが、そんなときにCUBEは大活躍してくれます。
脚をたたむときは、三本の脚をギュッと握って収納ボタンを押すだけ。
こちらも5秒あれば十分収納できます。
ミニ三脚なのに高さが出せる
Velbon CUBEは、収納時のコンパクトさとは裏腹に、脚を伸ばすことで約1mもの高さを稼ぐことができます。
愛用中のミニ三脚「Manfrotto PIXI」は、コンパクトでデザインが良いのが特徴なのですが、どうしても高さが稼げないのがネックになっていました。
全長で約1mぐらいなので、アイレベルには足りませんが、大抵の写真には十分といえる高さを稼げると思います。
昨今のチルトする液晶があれば、屈んでファインダーを覗き込む必要はありませんし、これぐらいの高さがあればよろしいかと。
雲台との固定はネジ式
Velbon CUBEは雲台も特徴的です。
カメラとの接続はネジ式を採用しています。
個人的にはManfrotto PIXIのように本体をクルクル回せるほうが素早くセットできて好きなのですが、CUBEは脚を伸ばして使うことがありますからこの仕様は仕方がありませんね。
クイックシューを着けて使う人もいるみたいです。
雲台の角度調整は洗濯バサミ式
Velbon CUBEの角度調整は、雲台に取り付けられた洗濯バサミのようなストッパーを使います。
こんな感じで両側からはさんであげると角度調整ができるようになります。本当に洗濯バサミと同じ機構なのです。
ミニ三脚では犠牲になりがちな細かな微調整が自由にできるのは良いところ。
雲台の最大傾斜はこれぐらい。
星空を撮影される方は物足りなく思われる角度かもしれませんが、実はVelbon CUBEにはどんな角度でも撮影するための機能が搭載されているんです。
ワンタッチで縦撮影などができる
指の先にあるレバーのようなところを押すと、
パカッ、と雲台が縦方向へとワンタッチで早変わりします。
90度になるということは、
縦撮影ができてしまうわけです。
以前の記事で、Manfrotto PIXI + 自由雲台の組み合わせが、コンパクトながら自由自在に角度調整できて素晴らしい、と書いたのですが、Velbon CUBEは単体でその利便性に加えて「高さ」を付加することに成功しています。凄すぎ。
真俯瞰撮影も即セッティング可能
真俯瞰撮影とは主に物撮りで使われる真上から被写体を撮影する構図のこです。
三脚を使った真俯瞰撮影をやったことのある方はご存知と思いますが、真俯瞰撮影のための三脚セッティングは手間がかかります。
CUBEなら真俯瞰撮影も楽々簡単。
自由自在に向きを変えられる雲台特性のおかげで、真俯瞰撮影の構図をアッという間にセッティングすることが可能です。
ただし、CUBEは脚部分の長さ調整が全縮か全長しかありませんので、被写体との調整はズームを使うか撮影した後にトリミング、ということになります。
CUBEは公式には全縮か全長ということになっていますが、実は脚の段階調整は可能です。
一旦、すべての脚を伸ばしたあとで一段づつ縮めることで調整できます。
ただ、安定感が万全ではない、と公式的には判断されて全縮か全長で使うことが推奨されているのだと思います。
メーカー非公式の方法なので、自己責任でお試しになってください。
コンパクトで軽い
Velbon CUBEは、これだけ色んな機能をかねそなえているにも関わらず、コンパクトで軽いのが素晴らしい。
素材は本体がマグネシウム、脚部分は軽量なアルミで出来ています。
トライポッドタイプの三脚で四角い脚というのは珍しいですよね。
この形状が製品名のCUBEの由来なのでしょう。
アルミで出来た脚部分。
よく見ると脚が少し湾曲して弓なりになっているのがわかります。
これは製品の不良などではなく、れっきとした公式仕様。脚がこのようにたわむことで安定するような仕組みになっているそうです。
私はSONY α7というミラーレスカメラで使っていますが、載せると少し脚がたわむ感じになります。当初は少し不安でしたが慣れました。
ちなみに最大積載量は400gとのことですが、例によってそれ以上を載せても使えちゃいます。もちろん自己責任ですけどね。
愛用のPORTERのカメラバッグに余裕で収納できました。
比較的小さなショルダーバッグタイプのこのバッグに入るぐらいですから、どんなカバンやバッグにも収納できるといっても過言ではないかと。
本体が薄くて平べったいので、収納しやすいのもいいところです。
風の強いところでは注意
ここまでVelbon CUBEの魅力について書いてきましたが、CUBEにも欠点はあって、そのひとつが風に弱いことです。
上画像のように、CUBEは脚をしならせるというか、たわませることによって安定性を確保しています。
そのため、通常の三脚より揺れやすく、風や振動の影響を受けやすいのです。
風や振動のあるところでのスローシャッターは注意しなければなりません。
本体のシャッターを使うのも要注意。シャッター速度によっては振動を拾ってしまいます。
リモコンやセルフタイマーを使って撮影する必要があります。
軽量でコンパクトなどで登山などで持ち運ぶ方も注意が必要です。無風の山頂というのはまずありませんよね。
ただ、比較的重量のあるミラーレスカメラなどは、その重さで安定をかせぐことができます。
風が問題になるのは軽量なコンデジの場合などですね。
アイレベル撮影ができない
Velbon CUBEは脚を伸ばした状態で約1mくらいの高さになります。
これはミニ三脚としては信じられないくらいの高さですが、人間目線でのアイレベル撮影をすることができません。
CUBE雲台のネジに一脚をとり付けて延長すればアイレベルになりそうですが、さすがに安定性が問題になります。
旅先の記念写真や集合写真にはちょうどよい高さなのですが、どうしてもアイレベルで撮影する必要がある方は、他の三脚を選ばれたほうがよろしいかと思います。
まとめ
Velbon CUBEは他に類を見ない画期的なアイディアで、軽くてコンパクトで持ち運びしやすく、超速セッティングを実現した素晴らしい三脚です。
利便性と携帯性という相反しがちな要素を両方兼ね備えるというのも珍しい。
風に弱かったりアイレベルの撮影ができないなどの弱点もありますが、Velbon CUBEがトラベル用のミニ三脚であることを考えれば十分すぎる性能です。
最後に一点、気になることとして、Velbon公式のCUBEの製品ページには「生産終了品」と表示されています。
今ある在庫限りで販売終了になると思いますので、欲しい方は急いで購入されることをオススメします。