いきなり結論からはじめますが、GRIIIに最適な「三脚システムを作ってみた」んですね。
スナップシューターのGRに三脚? それ意味があるの?
そう思われるのも当然です。ポケットに入れて持ち運べるのがウリのGRIIIで三脚を使うというのは、ある意味では矛盾した行動といえます。
しかし、GRIIIを使えば使うほどその魅力に引き込まれてしまい、しまいにはこれまでフルサイズを持ち出していた暗所撮影や長時間露光も、GRIIIでやりたくなってしまったんです。
GR愛が深まれば深まるほど、三脚の必要性をヒシヒシと感じるんですね。
しかし、ふつうの三脚では先述したように軽快さがウリのGRIIIの魅力を活かせません。カメラはポケットに入るのに、三脚を担いでしまっては本末転倒です。
かといってmini三脚では高さが足りません。高さが足りないと下からあおるカタチになり、好ましくありません。アイレベルくらいの高さがないと画作りの幅が狭すぎます。
普通の三脚は、持ち運びに不便でダメ。かといってmini三脚は高さが低すぎてダメ。
この矛盾した状況を打破する方法はないものか。
色んな商品を買って売ってを繰り返し、試行錯誤を重ねること半月ぐらい。
ついにGRIIIのコンパクトさ損なわず、GRIIIの画作りの幅を拡げてくれる「これこそGRIIIの三脚!」といえる三脚システムが完成しました。
GRIII用 三脚システム
この三脚システムのメリットは、
- 軽量コンパクトにできる
- アイレベルで撮影できる
- 自撮り棒として面白い写真が撮れる
- 必要に応じて組み合わせられる
という3点です。
1. 軽量コンパクトにできる
GRIIIと一緒に持ち運ぶことを考えた際、一番大事なのが軽量コンパクトである、という点です。
この三脚システムは、三脚を単体で用意するのではなく、3つのパーツで三脚を構成することで、軽量コンパクト化を実現しています。
ポケットに収納することもできます。入るからといってポケットに入れて持ち運ぶのは微妙ですけどね……
2. アイレベルで撮影できる
この三脚システムの素晴らしい点として、ミニ三脚などでは不可能なアイレベルでの撮影が可能な点があげられます。
これだけコンパクトなパーツの組み合わせで最大高はなんと156cmです。
トラベル三脚なんかだとこの高さすら出ないものもあります。パーツの組み合わせでこれだけの高さが出せているのは奇跡的です。
これだけの高さが出せると、画作りの自由度は圧倒的に広がります。
ローアングルはもちろん、上から覗き込むような俯瞰撮影にも対応できます。
集合写真でも下からあおらず顔がスッキリ写るので、女性に喜ばれること間違いなしです。
3. 自撮り棒として面白い写真が撮れる
これは当初考えていなかったのですが、この三脚システムは「超長い自撮り棒」として使うことで、GRIIIで面白い画を撮ることができます。
GRIIIをインターバル撮影モード(INT)にして複数枚撮影に設定し(3秒で5枚撮影ぐらいがちょうどいいです)、崖上から真下に向けて撮影したり、人だかりの頭ごしに被写体を撮影したりすることができます。
個人的なオススメは、集合写真を真俯瞰(真上)から撮影すること。真正面からの集合写真は定番ですが、真上からの撮影だと笑顔になりやすく、楽しそうな写真を撮影することができます。
自撮り棒はGRIIIの軽さを生かして、画作りのバリエーションを増やしてくれるのでオススメです。
4. 必要に応じて組み合わせられる
この三脚システムは、必要に応じて自由に組み合わせて使うことができるのも特徴です。
ローアングルで撮影したい場合は、土台部分だけを使います。
星空撮影で真上を撮るときは土台 + 先端部分だけ。
自撮り棒として使いたい場合は、先端部分 + 中継ぎ部分。もちろん、先端部分だけ単体でも自撮り棒として使えます、というかそもそも自撮り棒なんですけどね。
こんなふうに、その場その場のシーンに合わせて形態を変えて使うことができます。
こんなフレキシブルな使い方ができる三脚なんてこれまでなかったですよね。
三脚システムの具体的な構成
このGRIII用の三脚システムは、
- Velbon 自撮り棒 ULTRA STICK SELFIE
- 福丸電光 伸縮延長ロッド
- Leofoto ミニ三脚 MT-03
の3つの商品を組み合わせています。
1. Velbon 自撮り棒 ULTRA STICK SELFIE
この三脚システムとGRIIIの接点の役割を担うのがVelbonの自撮り棒「ULTRA STICK SELFIE」です。
この自撮り棒は、Velbonお得意の「ウルトラロック」という伸縮システムのおかげで、縮長18.5cmというコンパクトさにも関わらず、最大長さ72.5cm(伸縮比 約3.9倍)を実現します。
この自撮り棒を選んだもうひとつの理由は、雲台が「自由雲台」であること。これにより上下左右どの方向にもカメラを素早く調整することができます。
実はこの自撮り棒に辿り着く前に「Velbon&Coleman スマホ自撮り棒(写真左)」という自撮り棒を経由しています。
Velbon&Coleman スマホ自撮り棒はULTRA STICK SELFIEとほぼ同じスペックの自撮り棒なのですが、雲台が自由雲台ではなく、前後にしか角度を調整することができません。細かな角度調整ができなかったため、不採用となりました。
パイプ系が細いのも、三脚システムとして使う場合は不安定でよろしくありませんでした。
もし、あなたが三脚システムではなく、「GRIIIに合う自撮り棒」を探しているのであれば、Velbon&Coleman スマホ自撮り棒はオススメできます。このダイヤル式のネジを採用した雲台はGRの脱着を素早く行える点で優れています。
2. 福丸電光 伸縮延長ロッド
この三脚システムの先端と土台を繋ぐ「中継ぎ」の役割を果たすのが、福丸電光の伸縮延長ロッドです。
この商品もウルトラロック機構を採用し、14.8㎝というコンパクトな状態から66cmまで長さを伸ばすことができます。Velbonとの関係は不明ですが、ウルトラロックを使ったOEM商品なのでしょうか。
この商品は後述する土台部分との相性が良く、土台に装着すると安定感がありブレを最小限に抑えてくれます。
当初はこの伸縮延長ロッドの先に、以前購入したVelbonの自由雲台を装着して使うつもりだったのですが、先述のULTRA STICK SELFIEを重ねて使えることが判明したため、中継ぎ役に徹することとなりました。
3. Leofoto ミニ三脚 MT-03
そしてこのシステムの土台部分を支えるのがLeofotoのミニ三脚 MT-03です。
このミニ三脚なくしてこのGRIII用の三脚システムを構築することはできませんでした。
Leofoto MT-03の素晴らしさは前回記事にも書きましたが、「脚の角度を拡げられること」と「脚を伸ばすことができること」です。
これにより、この三脚システムをアイレベルまで高さを上げても転倒したりする心配がまったくない、というわけです。
ミニ三脚というと、有名どころでManfrottoのPIXI(写真左)などがありますが、雲台を取り外せないため、カメラ + 自撮り棒 + 延長棒を支えるには不十分でした。PIXI EVOは脚を少しだけ伸ばせますが、やはり雲台の仕組みがこのシステムと相性は悪いと思います。
その点、Leofoto MT-03は雲台なしでも使うことができるのが本当に素晴らしい。前回記事で書いたように私はMT-03と「LH-25」という雲台のセットで購入しましたが、この三脚システムでばかり使っているので、雲台セットで買う必要がありませんでした。雲台の役割を先端のTRA STICK SELFIEが果たしてくれるからですね。
デメリット
この三脚システムのデメリットとしては、コンパクトとはいえパーツを持ち歩かなければならないこと。ポケットにGRIIIを入れて持ち運びたい人には荷物になってしまいます。とはいえ、私はGRIIIをカバンに入れて持ち歩くことが多いので、あまり気になりません。むしろこの三脚システムのメリットを享受するためであれば、喜んで持ち歩きたい。
あと、風や振動には弱いです。三脚のように雲台を3点で支持しているわけではなく、中心の支柱ひとつでカメラを支えているようなものですので、三脚が揺れてしまうんですね。
シャッター速度を稼げる日中はまったく気になりませんが、長時間露光や夜間撮影ではブレに気をつける必要があります。
無風で振動のないところであれば、夜間でもGRIIIを10秒のセルフタイマーで撮影すれば揺れが収まった後にブレずに撮影することができます。
というわけで、GRIIIに最適な三脚システムについて紹介してみました。
軽くてコンパクトなのに画質が素晴らしいGRIIIの魅力をさらに引き出す三脚システムだと自画自賛しています。
あ、これもデメリット?になるのかもしれませんが、すべてを揃えると金額的には15,000円を超えてしまいます。普通の三脚が余裕で買えるお値段なので躊躇される方がいそうですが、普通の三脚は3つにトランスフォームできませんから。コンパクトさと実用の両面から考えれば、この値段は決して高くないと個人的には思います。ちなみに私はこれに辿り着くまでの試行錯誤の段階で、犠牲となったアイテム分のお金がさらにかかっていますから……。
GRIIIをお持ちの方は、ぜひお試しになってみてください。GRIIIライフがさらに楽しくなること間違いなしです。