「PLフィルター」という撮影アイテムをご存知でしょうか?
恥ずかしながら、つい先日まで私はPLフィルターの存在を知りませんでした。
PLフィルターとは、別名で「偏光フィルター」とも呼ばれる、カメラレンズに取り付けるフィルターのことです。レンズ保護フィルターと同じようにレンズ先端に取り付けて使用します。
なぜPLフィルターを使うか。その理由はいくつかあるのですが、まずは写真を見てもらうのが手っ取り早いと思いますのでご覧ください。
まずはコチラの写真の建物の屋根に注目してください。
曇り空で撮影したものの、日の光が屋根に反射して白くなってしまっています。
この環境下でPLフィルターを取り付けて撮影してみると、
こうなります。
建物の屋根が反射して白くなっていたのが取り除かれ、屋根本来の色を撮影することができるようになりました。
もう一度写真を並べてごらんください。
違いは一目瞭然ですよね。
PLフィルターはこのように、写真の中の不要な光の反射を抑え、被写体の本来の色や姿をカメラで捉えることができるようにしてくれる便利アイテムです。
四隅がケラレて黒くなっているのは、超広角レンズにフィルターを重ねがけしてしまったせい。作例はTAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXDによるものなのですが、このレンズにレンズ保護プロテクターとPLフィルターを二段重ねで取り付けています。さすがにこれではケラレるという良い見本になると思いましたので、あえてそのままにしておきました。超広角レンズにPLフィルターを取り付けるときは要注意です。
PLフィルターを使った作例。
これは強い直射日光があたっているシーン。
通常であれば葉っぱや水面が照り返しで白くなってしまいそうですが、見た目どおりのキレイな色が再現できています。
水面に建物などが反射しているのを撮りたいときは必須アイテムですね。
このように、PLフィルターを使うと不要な反射を除去し、写真内の色のコントラストをしっかり写し撮ることができるようになります。
空や水面、桜や紅葉などを撮るときに使えば、写真の質を一段上げてくれるスーパーアイテムなのです。
Lightroomの現像でPLフィルターの代用はできないものか?
不要な撮影アイテムはひとつでも減らしたいですし、PLフィルターは使用頻度に対して高額です(人にもよりますが)。レンズ径によって異なるサイズを購入しなければならないのも億劫です。
なので、これまで私はLighroomの現像で同じことを再現しようとしていました。ハイライトを下げたり、かすみの除去、で頑張ろうとしていたんですね。
けれど、LightroomでPLフィルターと同じことをするのはとてつもなく大変です。
ハイライトを下げたり、かすみの除去を使ってしまうと、反射を抑えたい被写体だけではなく、写真すべてに効果がかかってしまいます。
部分補正を使うという手段もなくはありません。
しかし、ひとつの被写体を部分補正で反射を抑える部分補正をしてしまえば、整合性を保つために写真内で同じように反射の影響を受けているものすべてを部分補正しなくてはなりません。心が折れました。
よほどLightroomやPhotoshopの操作に卓越した人であればPLフィルターがなくても同様の写真を作り出せるのかもしれませんが、そうでない人は素直にPLフィルターを購入したほうが、時間の無駄にならなくていいと思います。
MARUMI PLフィルター EXUS サーキュラーPL
というわけで、今回購入したPLフィルターは、MARUMI PLフィルター EXUS サーキュラーPL。Amazonの簡易パッケージ品で購入したので白い封筒のようなものに入って配送されてきました。
PLフィルターというのは、通常の製品であれば使用することで写真が暗くなってしまいます。しかし、このEXUS サーキュラーPLは、レンズに取り付けても明るさがほぼ変わらないのがいいところ。
もっと安いPLフィルターもたくさん売ってしますが、安物を買うと結果的に高くつくというのはNDフィルターの失敗で懲りているので、最初からそれなりの製品を選びました。結果、正解だったのではないかと思います。
今回、私が購入したPLフィルターは67mm。
67mmというフィルター径は、私の手持ちレンズだと、
SEL24F14GM
SEL85F18
TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD
TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD
という4本で使えるのが良いところ。
EマウントのTAMRONの神ズームレンズふたつで使えるのがとても有り難いです。
写真のクオリティをひとつ上に上げてくれるPLフィルター。
風景写真や、桜や紅葉といった植物を撮影される際は、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。