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30代が今後の人生を送る上で知っておくべきこと -35歳の教科書 今から始める戦略的人生計画

リクルート〜中学校の校長という経歴の著者が、30代からの人生に役立つ知識などについて指南した本「35歳の教科書 今から始める戦略的人生計画」を読んでみました。

自分の技術を持つ

最も大事なのは、「自分の技術とは何なのか」について自身と向き合って話してみることです。その技術は会社の外でも通用する普遍性を持っているか。十分に磨きあげられているかを、しっかり検証してください。

35歳以降の人生を送るうえでは「自分の技術」が何なのかを知り、それを磨くことが大事だといいます。

これまでの人生では基礎的なこと、普遍的なことを網羅的に学習していけば良かったのですが、30代中盤からは守破離でいうところの「破」にさしかかるということですね。

正解ではなく納得解

新しい時代に求められるのは、「正解」ではなく、「納得解」を導き出す力です。「納得解」とは、自分が納得でき、かつ関わる他人を納得させられる解です。成熟社会の構成員は「それぞれ一人一人」ですので、万人に共通する唯一の正解なんてありません。誰もが仕事や暮らしの中で試行錯誤しながら、自分自身が納得できる解を求めていくしかないのです。

これは俗にいう「Win-Win」を目指すということですね。相手にも自分にも利のある選択肢を選ぶということです。

先述の守破離でいうところの「守」の頃は、基礎的で普遍的であるがゆえに正論主義、この本でいうところの正解主義に陥りがちですが、正論は人を幸せにするとは限りません。むしろwin-winどころかlose-loseでも成立してしまう危うさがあります。

30代中盤からは「正しさ」よりも、「どうやったらみんなが幸せになれるのか」というwin-winを前提とした納得主義を心がけるべきですね。

武器を選べ

これからの時代を生きていくためには、その人固有の武器が必要です。いったいどんな武器がいいのか。残念ながら、この問いに対する「正解」や「一般解」はありません。本当の戦いであれば、殺傷力の高い武器を持ったほうが有効でしょう。しかし、人生の場合は、戦闘機より素手のほうが強い、ということもあり得ます。「どれが自分に合うか。打ち込めそうか」を基準に選べばいいと思います。最悪なのは「どの武器を選べばいいかわからない」と言うばかりで行動しないこと。だったら、まずは目の前のことに集中すればいいのです。どこかに「自分にぴったりの武器があるはず」といった考えは幻想に過ぎません。どんな武器も長年使いこなし、鍛錬してこそ手に馴染んでくるし、効果も高まるものです。

そろそろ「自分探し」のような言い訳をやめて武器を選び鍛錬しなさい、ということですね。

自分の武器を「これだ!」と決めてしまうことに抵抗感があるのは理解できます。選ぶということは「他の道を絶つ」ということも同時に意味するので心理的な苦しさを感じなくもないですよね。

しかし30代も中盤を過ぎれば、いつまでもそう考えて武器を持たぬよりは、なんとなくだったとしても武器を選びそれを鍛錬していくべきなのでしょう。使い方が上手になると見えてくる楽しさもあるものです。

武器の選び方

基本的には自分の好きなこと、興味を持てること、かっこいいと思えることを追究すればいいと思います。「それが自分の幸福につながる」「そのことをしていると(考えていると)幸福を感じられる」と思える事柄です。 それがもし、同好の士が見つからないような分野であれば、大化けする可能性を秘めている。オリジナリティの高いものは、つまり「他に例のないこと」ですから、なかなか人にわかってもらえません。人は誰かに認められたいので、ついつい平凡なほうへと流れがちです。でも、そこで踏ん張ってほしい。昭和天皇はウミウシを研究していたからかっこよかったのです。探すなら、そういうものを探しましょう。

これは簡単なようで難しいんですよね。

人間は「本当に自分が何を好きか」を顕在意識レベルでは自分にすら感じないように誤魔化すことができるのです。そうでなければ気の進まぬ会社に満員電車に揺られながら往復する日々を否定することになってしまいます。自分の「好き」を正確に把握しないことは人間の防衛本能がみせる悲しい一面といえそうです。

さらに社会に生きていれば同調圧力にさらされて、なかなか突飛な物や事を好きとは言い出せない空気感があります。

しかし著者も例としていうように「昭和天皇はウミウシを研究していたからかっこよかった」のでしょう。誰にも理解されないからといって自分の好きを押し込めず、素直に自分の心のままに従って行動できるようにしたいですね。

超便利社会の影

想像してみてください。コンビニに行ってマンガを立ち読みし、コーラを買って自宅に帰ってくる。この一連の行動は、言葉を一切使わなくても完遂できます。なぜでしょうか。すでにコンビニがお客のニーズを先回りして考えてくれているからです。

この一文にはハッとさせられたのでメモしておきます。

考えてみれば、コンビニに立ち寄れば自分の欲しいモノが必ず買えるような社会って異常だと思うんです。著者もいうようにその一連の行動に言葉を使い、店員の話すことすらなく欲しいものが手に入るんです。

これって言葉は悪いですが、超便利社会=洗脳が行き届いた社会、と言い換えられると思うんです。

我々は広告などで商品の存在を知り、それがコンビニやスーパー、ネットショッピングで買えることも知っている。それは捉えようによっては自分の欲求すら自分で抱くのではなく、誰かに「抱かされている」と捉えることもできませんか。

そして一番怖いのはそこに違和感を感じずに日々を送れてしまっていること。つまり自分の頭などは一切使わなくても行きられてしまうのが超便利社会の真の姿なのです。

確かに自分の「好き」すら自分で考えることをしなくていいこんな社会では、誰もが自分を見失ってしまうのも道理といえそうです。

日本では新聞が「世の中に遅れないための保険」になっているように見えます。買っているのは情報ではなくて、実は安心なのです。多くの人が新聞の論調を、ほとんど無批判に受け入れ、自分の意見のように思い込んでいる。これは大変危険です。

これも前項と相通じる部分ですが、社会人であれば読んで時事情報などを仕入れることがヨシとされている新聞ですら、本当は情報などはどうでもよくて「読んでいる」ということで得られる安心感を買っているだけなんですね。

確かに「情報を仕入れる」という意識なしに新聞を安心のために眺めているだけなら、著者のいうように新聞の論調を無批判に受け入れてしまうのは当然です。そしてそれをまるで自分の意見のように錯覚してしまう。

それは本当に自分の意見なのか。今一度日々の行動を振り返って点検してみる必要がありますね。


35歳の〜とタイトルにあるように、ある程度の社会経験を経てから読むべき本という感想です。

個人的には後半の引用文にあるように、この超便利社会の弊害ともいうべき実態にアンテナを立てることができ、目を向けられるようになったのが大きな収穫でした。本当に自分が「自分の意見や考え」として認識しているものが、はたして本当にそうなのかと考えるきっかけになりました。

30代中盤以降の方で興味のある方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

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