前回読んだ安売りするな!「価値」を売れ!よりも「体験」に主眼をおいて深堀りした内容でした。
やっぱり!「モノ」を売るな!「体験」を売れ!
「やっぱり!「モノ」を売るな!「体験」を売れ!」という本を読みました。
「モノより思い出」
本書中にも出てきますがこの言葉が表すように企業が「モノ」そのものよりも、そのモノがもたらす「体験」を売るという視点を持って販売計画をたてるというのは今日ではそう珍しいことではなくなってきました。
企業の営業などで販売活動に携わっている方であれば10人にきいて10人がスペック的な売り方ではなく、体験を売る必要性を語れるほど馴染んだ考え方になっていると思います。
そういった意味では本書がタイトルにも掲げている「体験を売る」というのは特に目新しいものではありません。
が、実は本書を読んでいて気がついたのですが、多くの人は「体験を売る=メリットを売る」という視点で固まってしまっている気がします。
もちろんビジネスである以上、デメリットを販売しているわけではないのですが、お客さまのメリットばかりを考えているとどうしても箇条書き的というかスペック的な思考に陥ってしまう気がします。
それに対してお客さまの「体験」を追求するという視点では、箇条書き的ではなく文章的、つまりストーリー的になっていくはずなのです。
おそらく多くの人はこの「ストーリー的にお客さまの体験を考える」ということが苦手で、体験を売る重要性を認識しながらも気がつけばスペック的な売り方になってしまっているのではないでしょうか。
まだ完全に「体験を売る」ということを咀嚼しきれていないのですが、本書から得た知識を元に行動に変換していきたいと思います。
商品の先にある「体験」を発信する
お客さまは製品やサービスが欲しいのではなく、その先にある「体験」、どんな素敵なことがあるのか、どんな嬉しいことがあるのか、を求めています。
お客さまが自ら想像力をはたらかせなければ売れないスペック的な売り方は言語道断。
いかにその製品やサービスを通じた先の体験を魅力的なモノにして発信できるかが大事ということですね。
瞬間的に欲しくなってしまう「体験」をPRする
お客さまは「ニーズを抱えている人」と捉えがちですが、魅力的な体験を目につきやすくアピールすることで瞬間的にニーズを発生させる努力も必要です。
手書きのPOPなどを使うのが代表的ですが、ホームページの見出しやキャッチコピー、メルマガの件名などでも同じことがいえると思います。
本来の目的でないモノを欲しいと思わせることがPOP(体験提案)の出来次第では可能になるのです。
モノを提供するのではなく特別な体験を提供することを考える
本書中にも例として出てくるスターバックスはコーヒーを売っているのではなく素敵なカフェ体験そのものを売っています。
自社の製品やサービスが、お客さまにどのような「体験」をさせるものなのか、それを真剣に考える必要があります。
お客さまに購入後の体験を先に気づかせることができれば、自然に商品は売れるというわけです。
「こだわり」を捨てる
個人的にはこれが一番響いた箇所なのですが、製法などをこだわりぬいた商品というのは今日では当たり前のことなのです。
商品にこだわりを持ちすぎてしまうと売り方がどうしてもスペック的になってしまいます。(例:最高の飼料を使って育てた最高級の◯◯です)。
スペック的な売り方では「体験を売る」という視点が欠けてしまいがちになるのは必然。
提供者としてこだわり抜いたことを伝えたい気持ちはすごく理解できますが、極端なことを言ってしまえば提供者がどれだけこだわり抜いたかはお客さまにとってはどうでも良いことなのです。
一昔前のこだわり抜いたことが価値になる時代ならともかく、現代では「提供者のこだわり」よりも「利用者の体験」を中心に考える必要があるのではないでしょうか。
これからはプロ目線での「こだわり」では買う理由にはならないということを肝に銘じる必要がありますね。
ひょっとしたらこれまでの日本で評価されてきた「匠のものづくり」というのは自己中心的と捉えるべき時代になってきたのかもしれません。
その他、本書中の気になった箇所をメモ
・お客さまは◯◯が欲しいのではない。◯◯を使うことで◯◯な体験を手に入れたいのだ。
・商品を一切載せないチラシを考えてみよう。
・写真につけたキャプションは、本文より2倍読まれる
・ターゲットとなるお客さまが、どういう経験をして、どういう心理状態になっているかを創造することが重要
本書も前回と同じく電子書籍版で読んだのですが、やはりこちらも電子書籍版限定の付録として「売れるPOPの書き方6つの法則」が巻末に紹介されています。
POP作成時におさえておきたいポイントを解説した付録ですので、こちらをお読みになりたい方はぜひ電子書籍版を購読されることをオススメします。