現在、愛人問題でネットを騒がせている岡田斗司夫さんの朝日新聞の人生相談と、回答に至る考え方などが書かれた本「悩みのるつぼ」を読んでみました。
2014年末のKindleの年末年始セールで買ってあったのを昨今の愛人騒動で思い出しまして(笑)。
そんな軽い気持ちで読んだ本書だったのですが、本書で紹介されている「11の思考ツール(分析、仕分け、潜行、アナロジー、メーター、ピラミッド、四分類、三価値、思考フレームの拡大、共感と立場、フォーカス)」が良かったので、私なりの解釈を加えてメモしておきます。
1.分析
まず、話ならよく聞き、文章ならよく読み、表面上の過激な表現などに惑わされないようにはっきりと本質を掴むこと。
内容を疑い推理しながら、本当の解決すべき点、問題点は何なのかを探り、仮説を立てます。
2.仕分け
悩みを「解決できるもの」と「解決できないもの」に分けていきます。
解決できないものは一旦忘れ、頭の負荷を減らしてリラックスした状態で「解決可能な」問題に意識を向ける作業です。
3.潜行
「なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?」と繰り返すことで悩みの本質を探っていきます。
深いところまで潜って「プールの底に手がつく瞬間」、自分の気が済む瞬間が絶対にあるのでそこまで潜り続けます。
限界まで潜れば、あとは勝手に身体が浮上する方向を見つけてくれます。
4.アナロジー
物事はストレートに考えすぎても限界があります。そんな時に使えるのが「アナロジー」つまり「たとえ話」です。
ストレートに考え抜くよりも、いま自分がおかれている状況や感じている気分に一番近い「たとえ話」を探すほうが、実は考えたり説明したりする時に手っ取り早いし客観的になることができます。
5.メーター
定性的なことにもあえて「単位」をつけたりすることで定量的なものとして考えてみる。
そうすることで例えば自分が何か嫌な出来事に対して「100嫌」という感情を持っていたら「80嫌」など、自分の折り合いがつくところまで軽減することを目的とします。
悩みは完全解決を望むと、達成は非常に難しくなってしまうので、自分や情況を使ってまず数値化して数字や物差しでイメージして客観的にみることが大事です。
6.ピラミッド
いろんな順序で並べたとき、その分布から自分の相対的位置を把握して考える方法です。
上下関係とボリューム感で捉えることに長けたピラミッド図解にすることにより過剰な悲観や楽観から逃れることができ、最適な生存戦略を探すことができるようになります。
(※ピラミッドと呼称しているが必ずしもピラミッドである必要はなく、同機能で類似形の涙滴形やスライム形なども含む)
7.四分類
考えを整理する時、毎回「これはいくつに分類できるかな?」と考えるのは大変なので、なんでもかんでもとりあえず四つに分類してしまう方法。
ビジネスの分析でよく使われるSWOT分析図のような2×2図のカタチに強引に4分類することで「人間が直感的に考えられる」くらいのサイズに落とし込みます。
「正確さ」よりも「ハンドリング」、つまり操作性を優先して考える思考法です。
ただし、この方法は分類して「考え方をまとめて心を楽にする」ことが目的なので、そこから結果を無理に引き出そうとしてはいけません。
8.三価値
問題は「最大多数の最大幸福」「自由と権利」「美徳の追求」の、三つの異なる価値観により回答が常に変化しつづけることを認めた上で「決断」するための思考法です。
「悩みにはどこかに妥協点がある」と考えるのではなく、三極のバランスによって常に回答は変化しつづ続けるものと認め、今日の回答、明日の回答、明後日の回答、のように回答が変わり続けることを許容することで、とりあえず「今日の回答」を見いだすことができるようになります。
9.思考フレームの拡大
自分の所属しているゾーンだけではなく、その隣のゾーンや周囲にあるゾーンの位置関係や構造などを含めて考える思考法です。
ある人との社内の関係性(会社ゾーン)が「平社員」と「管理者」という立場だったとして、たとえばインターネットというゾーンでは両者は同じネットユーザー同士であり、さらに性別というゾーンでいえば両者は男性同士、このようなカタチで問題や悩みそのものの関係性に縛られるのではなく、関係性を捉えるフレームを拡大することで違った視点から考えることができるようになります。
10.共感と立場
悩みを抱えている相手と同じ温度の風呂に入り「確かに熱い」「確かに痛い」を自分も感じる(共感)ことで、真に悩みを抱えた相手のための回答となることができます。
「立場」とは徹底的に相談者の見方になってあげることで「優しい言葉」を自分の中から引き出す方法です。
11.フォーカス
これから可能な行動に焦点を合わせて考える思考法です。
抽象的であったり自分にどうしようもないことは考えずに、「具体的で可能な行動」のみに絞って考えて解決を探ります。
本書中にはこれらツールを使って岡田さんが人生相談にどう回答していくのかが具体的に書かれているので、この思考ツールに興味をもたれた方はぜひ一読してみてください!