RICOH GRIIIにテレコンを付けて望遠化してみた話(RICOH TC-1を使用)

「RICOH GRIIIにテレコンを付けたい!」

前回の記事でGRIIIのワイコンレンズ「GW-4」について書きましたが、ワイコンで超広角が手に入ると次に欲しくなるのが望遠側、そう、テレコンです。

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さっそくGRIIIのテレコンを買って試してみました。
と言いたいところですが、困ったことにGRIII用のテレコンレンズはRICOHから発売されていません。ワイコンレンズしか発売されていないんですね。

何か良い方法はないかなぁ、と調べるうちに、昔のGR向けに販売されていた「RICOH テレコンバージョンレンズ TC-1」という商品を見つけました。

これ、ひょっとしてGRIIIに使えたりするかも?
そうTC-1を買ってGRIIIに付けてみました。

結果、GRIIIの望遠化に成功し、約90mm相当の画角を手に入れることができました。
これでワイコンとテレコンを使って21mm〜90mm相当がGRIIIで撮れるようになりました。素晴らしい。

しかし、TC-1はそもそもGRIII用に発売されているテレコンではないので、いろいろな制約や妥協点があります。

この記事では、私と同じようにGRIIIにテレコンレンズを付けたくて仕方ない人向けに、私がGRIIIで望遠を得るために買ったものや、注意点などについて紹介したいと思います。

RICOH テレコンバージョンレンズ TC-1

今回購入したのはRICOH テレコンバージョンレンズTC-1
すでに新品の生産は終わっていますが、Amazonなどで中古品を購入することができます。

用意するもの:レンズアダプターとステップダウンリング

ワイコンのときにも紹介しましたが、GRIIIにワイコンやフィルターを付けるには「RICOH レンズアダプター GA-1」というアダプターが必要です。

実は、GA-1のほかにもGRIIIにワイコンやテレコンを付けるときに使えるアダプターは存在します。

今回わたしは「NiSi RICOH GR III レンズアダプター」という商品を購入しました。

ワイコンのGW-4にGA-1を付けっぱなしにしておきたかったので、今回のテレコンと一緒にこちらのレンズアダプターを購入しました。

NiSiのアダプター(左)と、GA-1(右)の比較。

NiSiのアダプターのほうが高さがほんの少し低いです。

注意点としては、NiSiのアダプターにはGA-1にはある電子接点やロック機構がありません。安いにはそれなりの理由がある、ということですね。

余談ですが、NiSiのアダプターにはGRIIIに装着できるシルバーのリングキャップが付属してきます。

リングキャップをGRIIIに装着したところ。

RICOHの純正GRIIIリングキャップのお値段は、約2200円。
NiSiのアダプターは、アダプター + リングキャップで約2500円。

そう考えるとNiSiのアダプターはお得がありますね。

さらにもう一点、必要になってくるのが49mm→43mmのステップダウンリング。GRIIIのアダプターは49mm径ですが、テレコンレンズTC-1の径は43mmなので、変換してあげる必要がある、というわけです。

これらをすべて組み合わせて装着するとGRIIIがこうなります。

見た目や質感はかなり良いです。
こういってはなんですが、前回記事で紹介したGRIII + GA-1 + GW-4よりも純正品らしいクオリティ感。サイズもコンパクトで好感が持てます。

GRIIIの望遠レンズ化

というわけで待望の望遠レンズ化に成功しました。
約90mmの望遠(中望遠)画角は、クロップの50mmよりも遠くのものを写すことができます。

これがGRIIIの50mmクロップの写真。

これがテレコンTC-1を装着した場合の写真。
かなり被写体に寄れるようになりました。画質も私の用途であれば十分です。

正直、普段遣いであれば50mmクロップでも十分です。
90mmはどうしても遠くのものを写したいときに便利ですが、常用するには少し狭い画角です。90mmになるとボケがかなり大きくなるので、GRIIIでポートレートなどを撮りたい方には良いかもしれませんね。

デメリット:ケラレと画素の減少

上画像でお気づきになった方もいらっしゃるかもしれませんが、この方法だとピント距離によっては四隅がケラレて黒くなることがあります。

私は旅行や日常の記録にしかGRIIIを使わないので、多少のケラレは許容範囲内。多少のケラレよりも遠くの被写体が撮れることを優先しますが、人によっては気になるかもしれません。

テレコンTC-1の装着時は、50mmクロップで使うのが前提です。

上画像はTC-1を装着してGRIIIをデフォルトの28mmで使った場合。大きく周囲がケラレて使い物になりません。

こちらは35mmでクロップ。28mmよりはよくなりましたが、それでもケラレがかなり目立ちます。

50mmクロップにするとケラレがなくなります。
ただ、先述したようにピント位置によっては四隅がケラレることがありますので注意が必要です。

50mmクロップで問題になりそうなのが、画素数のこと。
GRIIIの50mmクロップは、標準の28mmで撮影するときに比べるとかなり画素数が減ってしまいます。

私は画素数については気にならないので問題ありませんが、気になる方は注意が必要です。私の画素数の考え方については過去に記事を書いていますので、そちらをご覧ください。

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まとめ:GRIIIだけでなんでもやりたい人にオススメ

テレコンを手に入れたことで私はGRIIIだけで、21mm、28mm、35mm、50mm、90mmという超広角〜望遠(中望遠)の撮影をすべてまかなえるようになりました。
これだけあれば鳥やスポーツ以外であればGRIIIで撮れるのではないかと思います。

正直、GRIIIを買ってからフルサイズを持ち歩くのがもう億劫で。最近はフルサイズを持ちだしてもGRIIIで撮っている始末。最近の撮影は9割以上がGRIIIになりました。画質という意味ではGRIIIで十分ですし、真っ暗でもなければGRIIIで夜でも撮れますしね。この気軽さにフルサイズが負けつつあります。

画素数が減ったりケラレの問題がありますので完璧な方法とはいえませんが、GRIIIにテレコンを付けてみたいと思われている方は、検討してみてはいかがでしょうか。

追記:GRIIIでGRIIIx用のテレコン「RICOH GT-2」を試してみました↓

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