「GRIIIに、GRIIIxのテレコンGT-2を付けたらどうなるんだろう?」
結論からいってしまえば、GRIIIでGRIIIx用のテレコン「RICOH GT-2」は使えます。ただ「かなり微妙」というのが率直な感想です。
もしあなたがGRIIIxを所有しておらず、GRIIIしか手元にない状態でRICOH GT-2を買おうとされているのであれば、考え直されることをオススメします。
今回はGRIIIでGRIIIx用のテレコンGT-2を試してみた結果と感想を書いていきます。
GRIIIx用テレコンRICOH GT-2
RICOH GT-2は「RICOH GRIIIx」専用の1.5倍テレコンバージョンレンズ(テレコン)です。
製品名 | RICOH GT-2 |
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カテゴリ | テレコンバージョンレンズ |
倍率 | 1.5倍 |
サイズ | 最大径:約65mm ×長さ:約45.1mm |
重さ | 209g |
価格 | ¥29,800 (税込) |
購入 | Amazon / 楽天 / マップカメラ(楽天市場店) |
公式HP | RICOH 1.5倍 テレコンバージョンレンズ GT-2 | RICOH IMAGING |
GRIIIIx専用のテレコンなので、私のようにGRIIIに装着して使うのは非公式な使い方です。もしお試しになる方がいらっしゃいましたら、自己責任であることを理解されたうえで実行してください。
75mmの価値→GRIIIの標準ズームレンズ化
RICOH GT-2を使うときは、GRIIIを「35mmか50mmのクロップモード」で使わなければなりません。
GRIIIデフォルトの28mmだと写真の四隅がケラれてしまいます(↑上画像)。ちなみにこれはGRIIIxでも同じで、デフォルトの40mmでは使えず必ずクロップしてGT-2を使う必要があります。
GRIIIとRICOH GT-2を組み合わせたときの画角の変化は以下のとおりです。
デフォルト28mm → ケラれて☓
35mmクロップ → 50mmまで延長
50mmクロップ → 75mmまで延長
50mmはGRIIIに搭載されている2段階目のクロップで代用できます。つまりGRIIIでRICOH GT-2を使う価値は「50mmクロップしたときにRICCH GT-2装着で延長される75mmの画角」のみです。35mmをGT-2で延長して50mmで使う場合も、RICOH GT-2を使ったほうが画素数のメリットがあるにはあるのですが、PHOTOSHOPやLightroomで超解像度が気軽に使えるようになった今となっては、よほど厳密なことを言わなければ画素数はあまりメリットにはならないと思います。
75mmの画角にどこまで価値を見いだせるか。個人的には50mmと75mmは画角感としては被っている感じがします。85mmだったら話はまた違うと思うのですが。
GRIIIとRICOH GT-2を組み合わせると、28mm、35mm、50mm、75mm、という4つの画角が使えるようになります。つまり標準ズームレンズがカバーする領域をGRIIIでカバーできるわけです。GRIII + アダプター + RICOH GT-2を組み合わせることで、標準ズームレンズのように使えます。すべてのパーツをポケットに入れて持ち運べると考えればすごいことのように思えますが、いちいち組み合わせて使うのが面倒という考え方もあります。
マクロモードが使えなくなる
GRIIIとRICOH GT-2の組み合わせにはひとつ致命的な問題があります。
それがコレ。マクロモードが使えなくなってしまうんですね。
GRIIIにRICOH GT-2をアダプター経由で装着し、マクロモードのボタンを押すと「レンズが異常です」と表示されてGRIIIが強制終了してしまいます。理由は「テレコンを装着したことで、マクロモードに必要なレンズの迫り出しができなくなった」からです。
私はGRIIIのアダプターにNiSiのアダプターを使っています。純正品のGRIII用アダプターRICOH GA-1ではないのですが、互換アダプターで発生した問題はRICOH GA-1でも同じようなことが発生するのではないかと思われます。
値段が高い
RICOH GT-2の値段がまぁ高い。現在、Amazonでは27,000円くらいします。加えてGRIII用のアダプターをお持ちでない場合は購入しなければなりません。なんだかんだで30,000円くらいの出費になってしまいます。この金額をGRIIIに完全対応しているわけではないテレコンに支払うのはオススメできません。
それでも「どうしてもGRIIIで使えるテレコンが欲しい!」という方は、私がかつて試したRICOH TC-1を使ってGRIIIを望遠化する方法も検討されてみてください。
RICOH GRIIIにテレコンを付けて望遠化してみた話(RICOH TC-1を使用)
RICOH TC-1もGRIII用のテレコンではありませんし、四隅がケラレるというデメリットがあります。しかしRICOH GT-2よりはるかに安い価格で90mmの画角をGRIIIで実現することができます。もし私がRICOH GT-2を使った望遠化か、RICOH TC-1を使った望遠化のいずれかをオススメしなければならないとしたら、断然RICOH TC-1を使った望遠化をオススメします。
以上、今回は無印のGRIIIにGRIIIx用のテレコン「RICOH GT-2」を装着した感想を書いてみました。
きっと私以外にも同じことを考える人が3人くらいいると思います。この記事がその方たちの損失を予め防ぐ役割を果たせたなら幸いです。