GRIIIワイコン「GW-4」のレビュー RICOH ワイドコンバージョンレンズ GW-4

結論からいってしまえば、私はGRIIIのワイコン「RICOH ワイドコンバージョンレンズ GW-4」を買って大満足しています。
このワイコンレンズを作ってくれたRICOHさんには本当に感謝しかないです。

でも購入前にGW-4について調べていたとき、買って後悔した、買わなければ良かった、という記述をいくつか目にしました。

実際にGW-4を購入して使ってみると、「あぁ、なるほど」と。
たしかにGW-4は「GRIIIに何を求めているか」によって評価が大きく変わってしまうのだと思いました。
私のように大満足する人もいれば、買って激しく後悔することになる人もいるでしょう。GW-4は結構なお値段ですしね。

今回は、私がGW-4を買って使ってみた感想と、どんな人が買えば幸せになれて、どんな人が買うと後悔するか、について自分なりに書いてみたいと思います。
GW-4の購入を検討されている方の参考になれば幸いです。

RICOH ワイドコンバージョンレンズ GW-4

まずはRICOH GRIII用のワイコン「RICOH ワイドコンバージョンレンズ GW-4」について確認していきましょう。

GW-4はGRIII専用のワイコンレンズです。
GRIIIの画角は広角28mmですが、GW-4を使うことで超広角21mmまで画角を広げることができるアイテムです。

ちなみに28mmと21mmでどのくらい変わるかというと、上画像はGRIIIのデフォルト28mmの写真で、

こちらがGW-4を装着したGRIIIで撮影した21mm相当の写真。

数値の上では7mmの違いしかありませんが、広角は望遠と違って1mmの違いがかなり大きいです。

GW-4にはレンズフードが付属してきます。が、ペラペラのゴムのような質感で、お世辞にも良品とはいえません。とっても安っぽい上に、ホコリやチリが付着しやすいので私は使っていません。使ったところでどこまで効果があるのかも疑問です。

GRIIIとGW-4を接続するには、別売りの「RICOH レンズアダプター GA-1」が必要です。

こんな感じで、GRIII → GA-1 → GW-4、という順に接続します。

面倒に思えるかもしれませんが、私はGA-1とGW-4を繋ぎっぱなしにしているので、特に煩わしさは感じません。

GA-1には電子接点が付いています。
GA-1を使ってGRIIIにGW-4を装着して撮影された写真は、EXIF情報に「13.8mm(35mm換算で21mm)」と記録されます。

これはGRIIIにGW-4を装着せずに撮影した写真のEXIF情報。ここには18.3mm(35mm換算で28mm)と記録されています。

こちらはGRIIIにGW-4を装着して撮影した写真のEXIF情報。こちらには13.8mm(35mm換算で21mm)と値が変わっているのがわかります。

Lightroomなどを使ってRAW現像される人にとっては、GW-4を使って撮影した写真だけを分類できるので便利です。

GW-4を買って満足する人/後悔する人

「レンズ交換式のカメラを持っているか?」

この質問の回答によって、GW-4を買って満足できる人と後悔する人が分かれるのかな、と思います。

満足する人:レンズ交換式のカメラを持っている人

一眼レフカメラのようなレンズ交換式のカメラを持っている、使ったことがある人にとってGW-4は最良の選択となるでしょう。

レンズ交換式のカメラを使ったことがある人にとって、数秒で付けられるワイコンで超広角21mmと、広角28mmの単焦点レンズを切り替えられるのは革命的です。

GW-4は画質が本当に良いです。
通常、レンズ前にさらにレンズを装着するわけですから画質は劣りそうなものですし、実際は劣化しているはずです。しかし、GW-4 + GRIIIでは劣化をまったく感じないんですよね。ワンタッチで付けられるワイコンレンズなのにですよ。
このあたりは値段が高いだけのことはあるのだと思います。

もしあなたがすでにレンズ交換式のカメラを使っている上に、GRIIIも使っていて「GRIIIだけでなんでもできるんじゃないかな?」と思ったことがあるのであれば、GW-4を心からオススメできます。本当にGRIIIとGW-4で何でも撮れるようになって感動しますから。

ちょっと細かい話になりますが、私はGW-4を買ってからメイン機のα7IIIで使っていた広角レンズSEL24F14GMを持ち歩かなくなりました。最近は出歩くときは、SEL55F18Zを付けたα7IIIと、GRIII + GW-4という構成です。

この構成が最高にフレキシブルで、外ではα7IIIで標準側を撮影し、GRIIIに広角側の撮影を担当してもらいます。
飲食店や小売店などに入った際には威圧感のあるα7IIIはカバンにしまい、GW-4を外したGRIIIで食事や小物を撮影しています。

このあたりのメリットについては別記事で書いているので、そちらをごらんになってください。

フルサイズカメラ所有者は「RICOH GRIII」を買うと幸せになれるという話

後悔する人:レンズ交換式のカメラを持っていない人

レンズ交換式のカメラを持っていない、使ったことがない、という人はGW-4の購入は慎重になるべきかもしれません。

なぜなら、きっとあなたはGRIIIを買うときに「ポケットやカバンに放り込んで使える高画質だけどコンパクトなカメラが欲しい」と思われたはずです。たとえ画質が良かったとしても大きな一眼レフやミラーレスは嫌だ、または最初から考えてもいなかった、のではないでしょうか。

GW-4はあなたがGRIIIを買った理由を否定します。

GW-4は単体で256gもある重たいワイコンレンズです。
GRIIIにバッテリーとSDカードを入れた重量が257gですから、GW-4はGRIII本体と同じくらいの重さがあります。
GRIIIにGW-4を装着した場合の総重量は256g + 257g = 約500g。500mlのペットボトル1本を持ち歩く感覚ですね。

GRIIIのコンパクトさに惚れ込んでいる人にとって、GW-4とGA-1の組み合わせのゴツさは到底許容できるものではないでしょう。ポケットに入れて持ち歩くことはできません。

そして数秒とはいえワイコンの付け外しは煩わしさはありますし、クロップのようにボタンひとつで21mmと28mmを切り替えられるわけではありません。

さらに21mmという超広角を手に入れることは、被写体を前にした「画角選び」に選択肢がひとつ増えることを意味します。目の前の被写体を28mmで撮るべきか21mmで撮るべきか。写真好きな人は画角の違いによる表現を楽しめますが、手軽さを優先している人にとって、重くて大きいワイコンを持ち歩き、さらに画角選びで頭を悩ませる、ようなことは長続きするとは思えません。

なので部屋を広く見せたい不動産屋さんのように超広角で撮る明確な理由があるのでなければ、レンズ交換式のカメラを持っていない人にGW-4は合わない気がします。

まとめ:自分がGRIIIに何を求めているのかを考える

自分が何を求めてGRIIIを買ったのか、それを思い出してからGW-4を検討してみてください。

スマホより画質の良いカメラを気軽に持ち運びたいから?
メインのカメラのほかに、サブ的に使えるカメラも欲しかったから?

私は後者でした。

レンズ交換式カメラとレンズを持ち運ぶのに慣れた私にとって、GW-4とGA-1を持ち運ぶ煩わしさはありません。カメラバッグにポイッと入れておくだけ。たったそれだけで21mmという超広角が単焦点レンズ画質で手に入ることに喜びを感じています。

GRIIIは本当に素晴らしいカメラです。ポケットに入れて持ち運べる気軽さと画質を見事に両立しています。28mmという画角は十分に広く、21mmという超広角が欲しくなることは滅多にないでしょう。iPhoneは11以降は超広角が搭載されましたから、万が一、その滅多にない機会が訪れたらiPhoneで撮ればいいだけのこと。気軽さを優先してGRIIIを買った人は無理してGW-4を買う必要はないと思います。

GW-4の購入を迷われている方の参考になれば幸いです。

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