最近、仕事でパソコンを使った動画制作をしています。
パソコンの画面を収録しながら喋り続ける動画なのですが、そこで問題になってきたのが「音声」です。
これまではパソコン本体のマイクを使って収録していたのですが、「キーボードの打鍵音」がマイクに拾われてしまうのが難点。タイピングをすると人の声そっちのけでキーボードの打鍵音を収録してしまいます。
あまりお金をかけずにこの問題を解決できないものか。
いろいろGoogleで検索しまくってたどり着いたのがこのピンマイク。
評判が良く、値段も安いし試してみるか、と買ってみたら、外見から想像ができぬほどの高性能ぶり。あまりの高性能さゆえに私は使用を断念せざるを得ませんでした。
高性能すぎて使えないピンマイク。
その理由をお話していきたいと思います。
SONY ECM-PC60
今回、購入したのはSONYのマイク「ECM-PC60」。発売されたのが2011年と古いのマイクなのですが、9年経ったいまでも売れ続けているベストセラー商品です。
SONY ECM-PC60の特徴をまとめます。
- 安い
- 小さい
- 軽い
- 作りがいい
- ノイズがない
- クリアな音質
- 小さな音も見逃さない集音性能
「小さくて安いのに高音質・高性能」
それがこのマイクECM-PC60の特徴です。
特徴をリストアップしてみるとあらためていいマイクだなぁ、と思うのですが・・・小さな音は見逃してくれてよかったんですけどね。長所が短所になってしまうのがこのマイクの問題点です。
このマイクにはスタンドとクリップが付属してきます。スタンドマイクとして使うも良し、ピンマイクとして使うも良し、一石二鳥なマイクです。ヘッドセットマイクが嫌いな私にちょうどいいですね。延長コードも付属してきますので、自分の好きなところにセッティングしやすいのも良いところです。
まず驚くのがそのマイクのサイズ。小さくて軽いとレビューで知ってはいたものの、こうまで小さくて軽いのか、と。あまりの小ささにこれでしっかり音を拾ってくれるのか不安になったほど。実際は真逆で拾いすぎて困るくらいだったんですけどね。
このマイクは有線で接続するタイプのマイクです。スマホやパソコンのイヤホンジャックやmic-inに接続すれば普通に使えます。Bluetoothタイプだといちいち充電しなければなりませんし、音質も劣化してしまいますので、マイクはやっぱり有線タイプが安心だな、と。
ちなみにMacBookなどイヤホンジャックやmic-inがないパソコンで使う場合は、USBの変換アダプタが必要になりますので注意が必要です。
音質はとにかくキレイで鮮明。そう、クリア。クリアすぎるほどです。
音量は十分に録音できますし、ノイズもありません。
音質はマイクサイズのせいもあってか高音によっていて低音はあまりありませんが、著しくバランスを欠いているようなことはありません。
そしてこの小ささ軽さからは想像もつかないほどの集音性能。外を走る車の音、隣の部屋の音、パトカーや救急車のサイレン、そういった生活音などの環境音はすべて拾います。
パソコンのすぐとなりにおけばファンが回る音は間違いなく入りますし、エアコンやストーブなどの音も拾います。とにかく異常じゃないかと思うほどのマイク感度です。周辺のどんな小さな音も拾ってしまうので、ピンマイクで使っていると服が擦れる音が入ります。
私は先述したように、パソコンの内蔵マイクだとキーボードの打鍵音が入ってしまう問題に悩まされてこのマイクを購入しました。このマイクでピンマイクモードで使えば解決するだろう、と。
ところが、いざ使ってみると、パソコンの内蔵マイクで使っていたときより、ECM-PC60をピンマイクとして使っていたときのほうが「キーボードの打鍵音が大きく収録されました」。こんなことってありえますか? キーボードを叩きつけている本体に備え付けられたマイクで拾うキータイプ音よりも、ピンマイクとして口元で使っているこのマイクのほうが、はるかにキータイプ音が大きいんです・・・そんな馬鹿な・・・。
そのような事情から、私はこのマイクを使うことを諦めざるを得ませんでした。マイクを買ったほうが解決に程遠くなるとは思いませんでしたね。
なのでこのマイクは人によります。環境音すら見逃さないほどの全指向性の集音力を求める方にとっては素晴らしいマイクですが、私のように特定の音だけを拾いたい人は、素直に指向性マイクを買ったほうがよいでしょう。ECM-PC60は録音環境や目的によって大きく評価が分かれるマイクです。逆に言えば野外で収録するYouTuberなどには最高のマイクなのではなかろうか・・・ピンマイクなんですけどね(苦笑)。
ちなみにビデオカメラなどに付けて外で使う場合は、風防なしではかなり音を拾ってしまうことでしょう。調べてみたところ、このマイクを外で使う方はGONKISSというメーカーのマイクスポンジを風防として使われている方が多いようです。これを使えばだいぶ風の音が制限されるようですし、服の擦れ音もしなくなるそうです。
最後にまとめると、ECM-PC60は音質もクリアでキレイでノイズもなく素晴らしいマイクなのですが、その集音力ゆえに人を選びます。
ボイスチャット、動画の収録、ゲーム実況、どんな用途でも使えます。でも、環境音をどこまで許容できるか、それがECM-PC60を選ぶか選ばないかの分かれ目となります。
あなたの利用環境をよく考え、私のように失敗した買い物にならないように気をつけてください。
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