SEL55F18Z vs SEL50F14Z!レンズ本体を比較してみました!

SONY純正のEマウントレンズで、標準域のレンズを探すと候補に上がるであろうSEL55F18ZSEL50F14Z

画角や最短距離の違いはわかるものの、いざ購入しようと考えると何が違うのかわからない。
SEL50F14Zは、SEL55F18Zの倍の金額を出して購入するに値するレンズなのか。はたまたSEL55F18Zは価格差を超える素晴らしいレンズなのか。

いま手元に両方のレンズを所有しているので、いろんな観点からレンズを比較してみたいと思います。
第一回目の今回は、レンズ本体について比較してみたいと思います。

サイズと重さの比較

レンズ本体のサイズと重さはSEL55F18Zの勝ちです。

もう上の画像がすべてを物語っていると思うんです。
SEL55F18Zのレンズ本体サイズは、SEL50F14Zのレンズフードの長さくらいしかありません。もう圧倒的な差です。

ミラーレス機 = コンパクトがウリだとするのであれば、レンズ本体のサイズ感でSEL50F14Zを選ぶ理由はまったくありません。重たい機材でないと満足感を得られない人にはいいのかもしれませんが。

操作系の比較

SEL50F14Zは、ピントを合わせるためのフォーカスリング、絞りを調節するためのリング、オートフォーカスとマニュアルフォーカスを選択するスイッチ、そして絞り調節リングのデクリックを選ぶスイッチが付いています。

対するSEL55F18Zはいたってシンプル。
SEL55F18Zの本体にはピントを調整するためのフォーカスリングしかありません。

この点も、個人的にはSEL55F18Zのほうが勝っていると感じます。

一見するとレンズ側でいろんな操作ができるSEL50F14Zのほうが優秀なように思えます。
実際、私は絞りの調節がレンズ本体でできることが決め手になってSEL50F14Zを買いました。しかしそれは大きな過ちでした。

実はレンズ本体側で絞り調節機能があると、カメラボディ側で絞りを調節することはできないんです。これが本当に不便で。
考えてみてください。レンズ本体側でしか調節できないということは、左手はピントを合わせるか、絞りを調節するかのいずれかしかできません。

しかし、カメラボディ側で絞りが調節できると、左手はフォーカスリングでピントを合わせつつ、右手の人差し指で絞りを調節することができます。どちらが便利なのかは明白です。

加えてSEL50F14Zの絞り調節リングの位置は微妙だと感じます。
購入前にみたレビューでは、レンズの根本にあるこの絞り調節リングの位置が使いやすい、というものを見かけました。
しかし実際使ってみると、SEL50F14Zの重さを左手で受け止めつつ根本にある絞りリングを回すのは楽ではありません。テコの原理の逆をいっているような感じ、というとわかるでしょうか。スコップで例えると、持ち手に近いほうを両手でつかみながら穴を掘るような感じです。穴が掘りにくくて仕方ないですよね。できれば左手はスコップ側に近い位置を持って穴を掘りたいものです。

レンズフードの比較

これもSEL50F14Zはどうしようもないくらいレンズフードがデカイです。

おそらく、SEL50F14Zの購入前にレンズフードを取り付けた画像を見ていたらSEL50F14Zを購入しなかったと思います。

なぜかレンズの販促写真というのは、レンズフードを取り付けていない写真ばかりが使われているので、購入前に気づくことができませんでした。

大口径レンズゆえに仕方がない、といえばそのとおりなのでしょうけれど、この出で立ちのカメラからは気楽さや気軽さというものはまったくありません。そこにあるのは「本気」だけです。

SEL55F18Zのレンズフードはこんなにコンパクト。
もはやカワイイといって差し支えないほど小さいです。

こんなにコンパクトなレンズフードにも関わらず、SEL55F18Zのレンズ本体に装着するとレンズフードが大きく見えるから不思議。どれだけSEL55F18Zのレンズ本体が小さいかがわかります。

まとめ

SEL55F18ZとSEL50F14Zのレンズ本体の比較は、どう考えてもSEL55F18Zのほうが勝っていると個人的には思います。

SEL50F14Zのレンズ側の操作系にメリットをまったく見いだせません。
それらの機能を削ってでも小さく軽くして欲しかった、というのが本音です。

ここまでレンズ本体のサイズや重さに違いがあると、もう機能性が違うといってもいいと思います。

SEL55F18Zは「機動力」があり、SEL50F14Zには機動力がない。

そういっていいのではないでしょうか。
SEL55F18ZにはSEL50F14Zにない機能が備わっているのです。

無論、力に自信のある方は持ち歩くことはできないわけではありません。
実際、私はSEL50F14Zを持って旅行に行ってくることはできました。持てないほど重いわけではありません。

けれど、カメラ=持ち出すモノ、と考える人であれば重い機材というのはデメリットしかありません。たとえ新品時は我慢できた重さが、長く使うにつれて億劫に感じられ、結果、カメラを持ち出さなくなってしまう。それでは意味がありません。

結局のところ、SEL50F14Zは重さやサイズよりも画質にこだわるプロ向けなのです。
こういってしまうと、そのプロ向けの機材を欲しがるアマチュアの方は多いと思います。私がそうでした。プロ向けの機材を使ったらキレイな写真が撮れると思っていました。

しかし、結果的に持ち出す回数が減れば撮影枚数も減ります。するとキレイな写真が撮れる確率も減ります。カメラを持ち出さなければいい写真は撮れないのです。

そしてそもそもの話なのですが、SEL50F14ZはSEL55F18Zに比べて画質に優れているわけではありません。素人判断ですが、むしろ単純な画質勝負であればSEL55F18Zのほうが勝っている気すらします。こうなってくるとSEL50F14Zを選ぶ理由はアマチュアにはほとんどないような気がします。

ただ、SEL50F14Zで撮影した写真には、言葉にできない何かがあるような気はします。
SEL55F18Zは単純でわかりやすく、SEL50F14Zは何か繊細で複雑なモノを含んでいるような気がするのです。

この辺は画質の比較ということで別記事で書くので、そちらを参考にされてください。

この記事の結論としては、とにかく画質云々の前に、SEL50F14Zを検討されているのであれば、そのサイズと大きさを覚悟してください、という話です。
もし可能であれば、レンタルか何かで試してみて、それでも欲しい、と思ったら購入してください。
くれぐれもSEL55F18Zが良かったから、SEL50F14Zにステップアップしよーっと、という気軽な気持ちで買わないように注意してください。