人生に行き詰まりや閉塞感を感じた時に抜け出す方法!決まりかけた人生も180度逆転できる!

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カリスマファイナンシャルプランナーの著者が人生に「逆転」を起こしたい方向けに書いた本「決まりかけた人生も180度逆転できる!」を読んでみました。

「自分にできること」で「他人が一番やってほしいこと」

彼女に最初に始めさせたのが、「自分にできること」で「他人が一番やってほしいこと」を探すことだった。

著者が5,000万円の借金を肩代わりした女性にまず行わせたことがコレだそうです。

現実に仕事をさせてみると、やはりこれだけの借金を背負ってしまう人間だけあって、数字に弱いし、几帳面さもまったくない。正直、ファイナンシャルプランナーとしての能力・資質は皆無だっただろう。しかし「自分にできることは何か?」と、彼女には徹底的に考えさせた。両親や学生時代の友人、昔の会社の先輩など利害関係のない人々に片っ端から連絡させ、「自分が得意なことは何だと思うか?」を聞き取り調査することもやらせたのである。すると、「あなたは同性に好かれるよね」という答えが帰ってきた。

ファイナンシャルプランナーの資質はまったくないようにみえた彼女ですが、周囲の人達に彼女自身の「得意なこと」について聞き取り調査をすることで、「同性に好かれる」という強みを発見でき、女性専門のFPとして活躍することができたそうです。

考えてみると当然なのですが、ビジネスというのは「相手」がやって欲しいことをやるわけですから、他人の視点から自分の特長を言ってもらいそれに則ったビジネスを行うのが一番良いわけです。

しかし、実際は自分の「やりたい」「やりたくない」などを大きく反映させた希望的考察によってビジネスを組んでしまい、結果として相手に受け入れられていないというケースが多いのではないでしょうか。

まずは他人視点での自分の強みを活かしたビジネスで地盤を固めた上で、自分の「やりたい・やりたくない」を反映させたビジネスを行うことが堅実な手段なのかもしれませんね。

人はそこまで期待していない

それは人が期待する以上のものを、一所懸命に応えようとしなくていい、ということだ。ビジネスはよくギブ・アンド・テイクだと言われる。そしてビジネス書などを読めば、人の懐に飛び込み、相手を感動させ、心から信用されるようになった超一流人たちの事例にあふれている。もちろん、それができるに越したことはないのだろう。ただ、相手は多くの場合、人にそこまでのことを期待していないのである。とくにあなたが若手のビジネスパーソンであれば、そんな大それた“おもてなし”を考えるのでなく、もっと基本的なことをしっかりすることで相手の要望に応えていくべきだ。基本的なことというのは、まさに人として当然すべきことだ。挨拶をしっかりすることもそうだし、約束を守り、遅刻をしないことなども含まれてくる。

自分に過大な期待を寄せられていると勘違いして勝手に苦しくなっていることはないでしょうか。

例えばお客さん達がよくいう「何か良い提案をしてくれない?」という言葉。この言葉を自分への期待感の現れと過大評価したくなる気持ちはわかりますが、残念ながらその大半はお客さんの口癖のようなものに思えます。

まずは「凡事徹底」で当たり前のことを当たり前にやるだけで人は十分評価してくれることを知るべきですね。

特に専門性の高いビジネスをされている場合は、自分にとって普通だったり当然だったりすることこそ相手にとって最高の価値を持っていたりするわけですから。

主語は「私」ではなく「あなた」に

とくに壁にぶつかっている状態の人は、「オレはどうすればいいんだ」「誰も私をわかってくれない」「自分だって一所懸命にやっているのに……」と、ほとんど自分自身の視点でしか考えていない。口から発せられるのも、「私はこうしたい」「私は間違っていない」と、主語が「私」で始まる言葉ばかりだ。うまくいっている人だと、これが逆なのである。主語は「あなた」で、「私」が主体になることなどほとんどない。「君はどうしたいのだ?」 「あなたは今、何に困っているの?」 「◯◯さんは、何をしたいですか?」多くの成功者を見ていると、こういう言葉が非常に多いことに気づく。自分のことよりも、社員や周りの人のことをいつも考えているから、自然と「私」が主語の言葉が少なくなってしまうのである。

完璧主義は自分の納得を優先して生きているので主語が「私」になってしまうんですよね。自分が納得できないことであればビジネスがうまくいかず儲からなくても良い、と言い出すのも完璧主義の迷惑な特長です。

悩んでいる人には、人の問題に関心を持つ余裕などないかもしれない。けれどもそういうときこそ、「皆がどんな問題を抱えているのだろうか?」と興味を持ってほしい。それが状況を逆転するヒントになる。「あなたはどうなのですか?」と質問し、相手の問題を聞き出す。そしてあなたが解決できることならば、そのための努力をしてあげてほしいのだ。これが「相手の要望に応える」ということなのである。

自分を主語にして悩んでしまっている人こそ、まずは主語を「自分ではない誰か」にしてものを考えて欲しいと著者はいいます。

完璧主義者の人は、もう逆に「完璧に主語を相手にする!」と考えてみることで楽に切り替えられるかもしれません。

「行動しないリスク」も考える

今のまま会社にいたら、一生うだつが上がらないままかもしれない。けれども会社を辞めたりしたら、もっと困った状態になるかもしれない……。そんなふうに「現状のリスク」よりも、「行動した場合のリスク」のほうを多く見積もるから、今のまま何も動けない状態になってしまうのである。人はこんなふうに、あらゆる問題解決の行動を起こすときに、一方ではリスクの大きさを計算している。むろんそれは正しいことなのだが、忘れてはならないのは行動を起こさない場合のリスク」のほうも考えているかどうかだ。たとえば今の会社を辞めて、違う仕事を選ぶ。むろん入社早々にイヤになって……というのでは厳しいが、ある程度あなたが現在の会社でスキルを身につけてきたなら、時間はかかるかもしれないが、必ずどこかで再スタートは切れるだろう。ひょっとしたら収入は下がるかもしれない。新しく身につけねばならないことも増えるかもしれない。でも、それの一体何がリスクだというのか。

物事には「行動したリスク」と「行動しなかったリスク」がどちらも存在するはずなのに、私たちが日常的に恐れるリスクはなぜか「行動したリスク」ばかりです。おそらくそれは「現状が脅かされる」という点を過剰評価してしまっているからなのではないかと。

人は不思議なもので、口では「現状に満足できていない」と嘆くというのに、他方では「行動して現状を失いたくない」と思うわけです。満足できていない現状に価値はないはずなのですが、そんな現状でも「住めば都」的な安心感があるものなのでしょう。

「行動するリスク」はそんな現状を守りたい欲求に反してしまうかもしれませんが、「行動しないリスク」も”失敗”という知識経験を得るチャンスを失っていると考えるべきです。

「ないものを失うリスク」より「あるものを失うリスク」を過大評価してしまう気持ちはわかりますが、そこをグッとこらえて想像力を最大限に発揮し、いかに「ないものを失うリスク」こそ最大の損失であると評価できるかが鍵ですね。

頭の中だけで完結しない

「自分は何をやってもダメだ」とか、「自分のやりたいことが見つからない」という人は、実は頭の中で「自分が何かをやった場合」を空想しているだけで、実際には何も試していない人が多い。それでは答えが出ないのも当然だろう。自ら動いて試していけば、だんだんと自分が求める答えに近いものが見えてくる。

うまくいかない人は、よくいえば思考実験が上手なんですよね。悪くいえば絶望的なまでに行動しない言い訳作りが上手なのです。

すべては自分の頭の中で完結してしまい、何を判断するにも根拠は「自分の思い込み」になっていませんか。他人がどう言ったか、思ったか、といった情報を素直に受け止めずに、自分の脳で処理して「思い込み」にしてから判断を下さないと気がすまないという人は多いです。というかそんな私は多いです(苦笑)。

自分の脳で処理してから行動するのではなく、まずは行動してからご自慢の脳で処理すれば良いのです。

「よく考えてから行動しろ」と教育されてきた私達にとってこの考え方は受け入れがたく感じますが、その言葉を私たちに放った人たちの中に成功者といえそうな人はいたでしょうか。

せめて「行動してからよく考えろ」と後進を指導できるぐらいの人間になりたいものです。


この本は私にとって久しぶりのアタリ本でした。

派手さ過激さがあるわけではなく、ひとつひとつは淡々としているのに心にとどいてくるんです。インパクトがないのに印象に残るとでもいいますか。

特別な才能や環境にある人ではなく、誰にでも共通することで、また、誰もが共通して見失いがちなことを丁寧に教えてもらった読後感です。

Amazonのレビューに「20万円以上のセミナーの内容が1300円で」というタイトルのものがあり当初は何を大袈裟な、と思いましたが、読んでみてなるほど、言い得て妙なのかもしれないと思えました。

特に私のように意識していなければすぐに「完璧主義」になってしまう人にはぜひ読んでほしいオススメの本です。