「あした死ぬかもよ? 人生最後の日に笑って死ねる27の質問 名言セラピー」を読んでみました。
死を活用する
死は、生を完全燃焼させるための、最高の「スイッチ」にできるんです。いつか死ぬ身であることがハートに落ちたとき、人は自分のほんとうの気持ちを取り戻す。
日々、人生の締切たる「死」を意識していきることで、「生」をしっかり生きられるようになると著者はいいます。
いつか漠然と自分が死ぬことを理解していても、紛争地帯ではなく平和な日本に生まれ落ちた私には、これまで「死」は身近なものではありませんでした。
しかし年老いて「死」が自分の身近で頻繁に発生しだした頃に意識しはじまるのではもう遅いのです。
死ぬために生きる、というのもいかがなものかと思いますが、いずれくるその日を後悔しないために、今から「死」というデッドラインがあるという事実を今日一日をより良く生きるためにうまく活用したいものです。
ピンチはチャンス
生きるって大変ですか?大変に決まってるじゃないですか。大変だからこそ、面白いんです。大変だからこそ、人は「大」きく「変」わることができるんです。
人間の人生ってこの「大変」の解釈によって決まってくるのではないでしょうか。
「大変だ」と慌てふためいていつも対処療法的に忙しくして疲れきっている人と、「大」きく「変」わるチャンスだ!と捉える人、では、明らかに後者のほうが良き結果を生み出すことでしょう。
これまでこの引用のような捉え方で苦難を捉えたことがありませんでしたが、今後は「大変だ」と思った時には、「大」きく「変」われるチャンスなんだと、ピンチをチャンスに変換するように努めていきたいですね。
キリンビールの麒麟=坂本龍馬
龍馬が勝ち取った賠償金はその後、岩崎弥太郎が引き継ぎ、そこから三菱グループが生まれ、そのとき「キリンビール」も誕生しています。だから、キリンビールのキャラクターのデザインは、頭は「龍」で、足は「馬」。つまり、「龍馬」。大ピンチを大チャンスに変えた「龍馬」へのリスペクトを込めてのデザインだそうです。
これは単純に知らなかったので、私の他にも知らない人がいるのではないかと思うのでメモしておきます。
キリンビールのキャラクターの頭は「龍」で足は「馬」=「龍馬」を知ってしまうと、誰かに言いたくてしょうがなくなりませんか(笑)?
流れ星に願い事をいうと叶うワケ
流れ星に願い事をいうと叶う。そういわれているのには、ちゃんと理屈があるんです。流れ星が現れるその一瞬の間に願い事をいえるということは、何を叶えたいかが明確になっているということ。どこに行きたいかがわかっている人は、必ず目的地にたどり着けます。
これは逆説的な言い回しですが、言い得て妙だな、と。
確かに、流れ星が流れる一瞬で願いをいえるぐらい自分の欲しいことや叶えたいもの=目的地がハッキリしているのであれば達成はそう難しくはないというのは頷けるところです。
死を活用した偉人
「もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていることをするだろうか」と。「違う」という答えが何日も続くようなら、生き方を見直せということです。
これはスティーブ・ジョブズの有名な演説の一節ですが、スティーブ・ジョブズは死というデッドラインを自分の人生にうまく活用した人だったことでも有名です。
彼の妥協しないモノづくりの根底には、いつか自分が迎える「死」の瞬間を、決して後悔しながら迎えたくないという想いがあったのではないでしょうか。
一期一会
これが最後だと思ったら、15分待つ踏切にすら、喜びが出てくるんです。今日がお別れだと思ったら、いやな人だって少しは許せるよね? 今日が最後の仕事だと思ったら、手は抜かないよね? 今日が最後だと思ったら、子どもを感情のままには叱らないよね? 妻へ。今日が最後だと思ったら、僕にもう少し優しくしてくれてもいいよね?(笑)
結局のところ「死」という締切効果を上手に活用するというのは「一期一会」の精神と同じですよね。
今日出会うすべての人に、もう二度と会うことはないのだと思えば、心は寛容でいられるでしょうし邪険に扱うようなことはなくなるはずですね。
誰もがいつか必ず迎える「死」を基準に、今どうあるべきか、を問うことは、簡単にできるワリに効果の大きいメソッドなので、ぜひ自分の生活に取り入れて実践していきたいですね。
文章も平易でわかりやすく読みやすいので低年齢層が読む自己啓発本としてもオススメできる本だと思います。