Anker Nebula シリーズにオススメの三脚・スタンドを目的別にリストアップしてみました

Ankerのプロジェクターブランド「Nebula」の最新作「Anker Nebula Capsule 3 Laser」を買いました。

私がAnkerのNebulaシリーズを買うのはこれで4台目です。初代Nebula Capsuleから始まり、Nebula Apollo、Nebula Capsule II、そして今回のNebula Capsule 3 Laser。思えばNebula歴も長くなってきました。

新しいNebulaを買うたびに頭を悩ませてきたのがプロジェクタースタンドです。Nebulaシリーズはプロジェクター本体が小さく、持ち運びに優れているのが特徴です。それゆえにスタンド選びが本当に難しいです。据え置きタイプのプロジェクターならばドッシリとした安定感のあるスタンドを選べばいいのですが、モバイルプロジェクターであるNebulaシリーズは持ち運ぶことも考えてスタンドを選ばなければなりません。下手なスタンドを買ってしまうと、せっかくのNebulaシリーズの良さをスポイルしてしまうことになります。

そこで今回は、歴代Nebulaシリーズを色んなシーンで使い続けてきた私が「目的別」にオススメのスタンドや三脚を紹介してみたいと思います。Nebulaシリーズのスタンドや三脚をお探しの方は最後までお読みになり、まちがった三脚やスタンドを選んで損することを避けてください。

デザイン + 機能性:マンフロット MP3-BK

特に定まった目的がない人にオススメなのがカメラ用品メーカーのマンフロットが販売している「MP3-BK」というミニ三脚です。

このミニ三脚の特徴は「デザイン」と「機能性」です。

まずはデザインについて見ていきましょう。黒地の三脚本体にマンフロットの赤ロゴがあしらわれています。そしてこのデザイン的な特徴は、Nebulaシリーズとまったく同じ。Nebulaシリーズも黒地に赤ロゴです。そんな両者の組み合わせが失敗するはずがありません。

さらに機能面についてもMP3-BKはNebulaシリーズと相性がいいです。

3つの脚を折りたためばこんなにコンパクトになります。わざわざ三脚を付け外しする必要がありません。ふだんはプロジェクターに付けっぱなしにしておいて、使うときだけ脚を開けばすぐに使えます。

MP3-BKは小さな三脚なので窓枠のようなほとんどスペースのない狭いところでも使えるのもうれしいところ。家の中のちょっとした場所に置いて使えるので設置場所を選びません。

脚は角度の微調整ができます。このサイズの三脚で角度の微調整ができるのはMP3-BKだけです。後述するミニ三脚は、大雑把にしか角度が調整できなくて映像を見ているときにストレスを感じることがありますが、MP3-BKについてはまったくストレスを感じません。

MP3-BKは、映像を天井に投影したいときにも便利です。Nebula Capsuleシリーズは円筒状のデザインで横向きに設置するとコロコロと転がってしまいます。そんなときはMP3-BKの脚を開きましょう。脚がストッパーの役割を果たして横に転がるのを防いでくれます。

ここまで完璧に思えるMP3-BKにもデメリットはあります。それは取り付けの際のネジです。マイナスドライバーやコインがないと回せない仕様になっています。そもそも付け外しをしない人であれば大した問題ではありませんが、「プロジェクターケースに入れて持ち運びたい人」にとってはこれがとても煩わしい問題となります。

Anker Nebula Capsule 3 Laser 用のケースを買って良かったという話

というのも、プロジェクターケースのプロジェクター収納部分は、Nebulaのサイズぴったりに作ってあるからです。かなりコンパクトで薄いとはいえMP3-BKを付けたままではプロジェクターを収納することができません。必ずプロジェクターから三脚を外さなければならないんです。

プロジェクターから外せばケースのポケットに収納できますが、これが何度もやるとなると地味に煩わしくて……頻繁にプロジェクターをケースに入れて持ち運びたい人は、次に紹介するJOBYのミニ三脚のほうがオススメです。

Anker公式からもコンパクトなプロジェクタースタンド↑が販売されています。ただ、サイズ的にはMP3-BKよりも大きくてできることも変わらないので、個人的にはこれを選ぶよりもMP3-BKのほうがいいかなぁという気がします。

プロジェクターをケースに入れて持ち運ぶ:JOBY ミニ三脚

プロジェクターをケースに入れて持ち運ぶ人は「JOBY ミニ三脚」がオススメです。

この三脚の特徴は、コンパクトなことと付け外しが簡単なことです。

先述のマンフロット MP3-BKよりもさらに小さくコンパクトなので、ケースのポケットに入れて持ち運ぶことができます。

取り付けは一般的な三脚ネジ(1/4ネジ)で、Nebulaシリーズの底面にあるネジ穴に一致します。くるくると回すだけで簡単に付け外しができるのが便利です。

デメリットは角度の微調整が難しいことです。この三脚は雲台部分(プロジェクターを取り付ける部分)で角度調整を行いますが、角度を決めて手を離すとプロジェクター本体の重さでわずかに位置がずれてしまいます。

何度も角度調整をすることで自分が望む角度にできなくはないのですが、気になる方は始めからマンフロット MP3-BKを買ったほうが幸せになれると思います。

天井に投影する:マンフロット PIXI EVO

プロジェクターの映像を天井に投影して寝転びながら映画などを楽しみたい人は、マンフロットの「PIXI EVO」がオススメです。

PIXI EVOは先述の2つに比べると少し大きな三脚にはなりますが、それでもモバイル用途に十分なサイズ感のミニ三脚です。

この三脚の最大の特徴は、コンパクトサイズにも関わらず「上方向」にプロジェクターを向けられることです。三脚の雲台部分に切れ込みが設けられていて、プロジェクターを真上に向けることができます。ミニ三脚でプロジェクターを天井に向けられるのはPIXI EVOくらいなものです。

小さすぎる三脚だとプロジェクターを横にするとバランスが悪くて転倒してしまいますが、PIXI EVOはミニ三脚ながら脚を伸ばすことができるので、Nebulaシリーズを乗せて横にしても転倒する心配がありません。

先述しましたが天井投影だけであれば三脚は必ずしも必要ではありません。プロジェクターを横に置いて天井に向ければよいだけですから。それでもこのPIXI EVOを選ぶ最大の理由は「給電」にあります。

Nebulaシリーズは電源の端子がレンズの反対側、本体の背面にあります。なので床にプロジェクターを置いてしまうとケーブルが挿せません。内臓バッテリーだけで使うのであれば問題にはなりませんが、Nebulaシリーズのバッテリー持ちは概ね3時間程度、映画一本とちょっとしかバッテリーが持たないと考えると心許ないと言わざるを得ません。

PIXI EVOを使えばプロジェクター本体は床から浮いた状態にできるため、プロジェクターに電源ケーブルを挿したまま使えます。映画を何本も見たり、ゲームを長時間やったりしても大丈夫です。

PIXI EVOはデメリットらしいデメリットがないのも特徴といえます。しいて言えば先述の2つの三脚に比べるとサイズが大きいことでしょうか。プロジェクターケースに入れて持ち運ぶことはできません。とはいえ著しく持ち運びしにくい三脚ではありませんから、そこまで気にする必要はないと思います。

PIXI EVOと似たものにPIXI(写真右)という三脚もあります。見た目がほぼ同じなので間違いやすいですが、PIXIはPIXI EVOと違ってプロジェクターを天井に向けることはできませんし、脚を伸ばすこともできません。PIXI EVOと間違えてPIXIを買わないように注意してください。

余談ですが、どうしても床にプロジェクターを置いて天井投影したい人は、L字型のUSB-Cアダプタを使って電源ケーブルを横に向ける方法もあります。

この状態でクッションの上などにおいて天井投影すれば給電しながらプロジェクターが使えます。とはいえ排熱の問題がありそうですからできれば三脚を使って天井投影するほうがいいですね。

屋外で使う:Nebula公式三脚スタンド

Nebulaシリーズをキャンプやイベントで外で使いたい人はAnkerが発売している純正の「Nebula公式三脚スタンド」がオススメです。

屋外でプロジェクターを使うときはスタンドの「高さ」が大事になります。たとえばキャンプでプロジェクターを使うときを想像してみましょう。地面には草が生え、砂埃が舞っています。そのようなところでミニ三脚のような高さのだせない三脚を使うのは現実的ではありません。仮に、草が生えていないところにプロジェクターを設置できたとしましょう。けれど砂埃はどうにもなりません。砂埃は地面に近くなればなるほど影響を受けてしまいます。風が吹いていなくても人が歩けば砂埃は舞います。精密機械であるプロジェクターをそのような場所で使うのはちょっと気がひけます。Nebulaシリーズはプロジェクター自体にスピーカーを備えているので、本体に無数の穴が空いています。つまり塵やゴミが本体に溜まりやすい構造です。分解清掃もできませんから、できればNebulaシリーズは外では使いたくないというのが私の本音です。けれどせっかくのモバイルプロジェクターですから、屋外で使いたい気持ちもよくわかります。そこで重要になってくるのがスタンドの「高さ」というわけです。

高さが出せるスタンドや三脚であれば何でも良いと思います。カメラ用の三脚でも良いでしょう。

とりあえずAnkerが発売している純正品のスタンド「Nebula公式スタンド」を2つ紹介します。

Nebula公式三脚スタンド (Capsuleシリーズ用)

Nebula Capsule TripodNebula Capsule Tripod

こちらはNebula Capsuleシリーズ用の公式三脚スタンドです。高さがそれなりに出せますし、たたむとコンパクトになるのが特徴です。しっかりした雲台が付いているので天井投影もできます。色んな用途に使える三脚スタンドです。

個人的に気になる点としては高さが40cmまでということです。40cmあればたいていの草の高さは越えられますが、砂埃のことを考えるともう少し高さが欲しいと思います。本体重量が270kgと軽いので、風が強めだと煽られて映像が揺れてしまうかもしれません。

Nebula公式三脚スタンド

こちらはNebula Capsuleシリーズに限らず、Nebula全製品に対応した公式三脚スタンドです。最大で140cmまで高さを出せるのが特徴で、これなら砂埃のことはあまり気にせずに済みそうです。

5,000円くらいで買えるのも良いところです。カメラ用の三脚でも140cmの高さが出せる三脚はもっと値段が高く、10,000円くらいします。あまりお金をかけずにできるだけ高さの出せるスタンドが欲しい場合は、良い選択と言えそうです。

良いところであり悪いところとしては、本体重量が954g、およそ1kgあるところです。持ち運びやすいとは言えない重さですが、この重さゆえに風が強いところでも使えるメリットもあります。

最後に外で使うなら絶対に避けるべきなのがワンポールタイプの三脚です。ワンポールタイプの三脚は、通常の三脚ほどスペースを取らないので良い選択肢に思えるかもしれませんが、風にとても弱いので映像がブレまくります。屋内で使うのならともかく、屋外で使うのはやめておくのが賢明です。

据え置きで使う:Nebula 公式フロアスタンド

常にプロジェクターを部屋に出しっぱなしで使う人はAnker純正の「Nebula公式フロアスタンド」がオススメです。

このスタンドはデザインがスッキリしていて部屋に置きっぱなしにしていても悪目立ちしにくいのが良いところです。むしろインテリア用品として考えられるくらいスタイリッシュなデザインといえます。三脚タイプと違って脚を開くスペースが必要なく、部屋に置きっぱなしにしても脚を引っ掛ける可能性が低いのも良いところです。

このスタンドはセンターポールの長さを変えることで50cmと100cmの高さで使うこともできます。天井に投影するときは50cm、壁に投影するときは100cmのような使い方ができますね。

デメリットは約1万円という価格です。これまで紹介してきた三脚とは違って、カメラやスマホを乗せて使うなどの流用ができるスタンドではありません。純粋にプロジェクターを載せるためだけの製品です。個人的にはインテリア用品として考えれば高すぎる価格ではないと思います。

おまけ:なんでも使えるマルチなスタンド

最後に、私がたどり着いた究極のNebulaスタンドを紹介します。

この方法は万能ではあるもののお金がそれなりにかかる方法です。参考程度にご覧ください。

このスタンドは、「雲台」「延長ポール」「ミニ三脚」で構成されています。

雲台:Velbon QHD-21

私はVelbonのQHD-21という雲台を使っています。雲台のポイントは「プロジェクターを上に向けられること」です。天井に投影するためにはプロジェクターを上に向ける必要があるからですね。今日現在、売られている雲台であれば基本的にできることですが、購入される際は念のために「雲台の横にスリットが入っていて上に向けられるか」を確認してください。

延長ポール:無名メーカー

これはAmazonで買った無名メーカーのものを使っています。風の影響を受けない屋内であれば1mの高さまでプロジェクターを上げることができます。屋外で伸ばして使うと風の影響を受けやすいので、風のある日は最短の30cmで使うようにしています。

ミニ三脚:Leofoto MT-03

Leofotoというカメラ用品メーカーのMT-03というミニ三脚です。このミニ三脚は脚の角度を変えたり、折りたたんである脚を伸ばすことで高さを柔軟に調整できるのが特徴です。脚をうまく調節することで岩場のような不整地であっても安定させられます。

それでいて脚を折りたためばこのとおりコンパクトです。先述したPIXI EVOよりもコンパクトなサイズになり、持ち運んで使うのに非常に便利です。

私はプロジェクターの用途に合わせてこれらの雲台、延長ポール、ミニ三脚、を組み合わせています。どんなシチュエーションでもマルチに組み合わせて対応できるので気に入っています。