コレまで使っていたPORTERのカメラバッグに不満があったわけではないのですが、他のカメラバッグを試してみたくなり、EVERYDAY SLING 5Lを購入してみました。
結論からいうと、確かにデザインは他のカメラバッグより良いのですが、機能性に劣るというのが正直な感想です。使用感がとても悪いと言わざるを得ませんでした。
今回はPeak Design エブリデイスリング 5Lを紹介しつつ、その理由について書いてみたいと思います。
Peak Design EVERYDAY SLING 5L BSL-5-BK-1
今回購入したのは、Peak Designのボディバッグタイプのカメラバッグ「EVERYDAY SLING 5L」。
色はアッシュとジェットブラックの2つがラインナップされています。今回はジェットブラックを選んでみました。
Peak Designのカメラバッグの梱包は、紙で包む独特の仕様です。
画像の赤い線の部分が糸になっていて、これをほどくことで開封します。
オシャレな仕様なのですが、うまくキレイに開けることは難しく、梱包を破壊しながら開封することになります。この仕様は中古対策を考慮されてのことでしょうか。
Peak Design EVERYDAY SLING 5Lの第一印象は、とても質感が良い、ということ。
デザインも良いですが、細かな部分までしっかり作られているのが伝わってきました。
バッグに取り付けられているタグのようなものは、このバッグの使い方を示した説明書。
説明書ひとつとってもPeak Designはオシャレですね。
肩紐はこの部分で長さを伸縮調整することができます。
ただ、なかなかスムーズにはできずコツを要します。
肩紐はこのパーツで簡単に着脱が可能。
Peak Design EVERYDAY SLING 5Lはウエストバッグとしても使えますので、このパーツはウエストバッグとして使いたい時に便利です。
カメラバッグを開いての第一印象は小さい!ということ。
思っていた以上に容量がないことに驚きました。
様々な形状に折りたたんで使えるしきり。
ひとりひとりのニーズに合わせてバッグ内を調整することができて便利です。
しきりを外せばそれなりのスペースができます。
人気のズームレンズ「TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD」を装着したα7IIIを入れるとこのとおり。レンズを装着したままだと他に何もバッグ内に入れられません。5Lという容量を考えれば当然かもしれませんが。
SEL50F14Zを入れてみました。
レンズフードを装着したままで入ったことが驚きです。なんとかこのくらいまでであればいけそうです。
カメラ2つが入らないものか、という実験。
カメラ2つを横に並べて収納することは可能です。レンズはSEL55F18Zくらい小さなレンズであれば、つけっぱなしでもなんとか収納できそうです。
レンズフードを収納し、レンズを取り付けたままのカメラ+レンズひとつ、という構成であれば収納できます。
ただ、かなりキツキツな感じなので、スムーズに出し入れできるとは思わないほうがよいと思います。
カメラ収納エリアの両脇には小さな収納が設けられています。
が、小さすぎてManfrottoのミニ三脚PIXIですら入りません。
ワイヤレスリモコンやレリーズを入れるのがやっと、という感じです。
カメラ収納エリアの側面には、マグネットで着脱するしきりで区切られた収納があります。
iPad miniを入れるとちょうどいいサイズです。
バッグのフタ部分にはバッテリーなどの収納エリアがあります。
小分けされている上に、色分けした刺繍があるので、未使用と使用済みのバッテリーをワケやすいのがいいところ。この辺りのデザインはさすがPeak Designという気がします。
バッグ前面には小さな収納があります。
iPhone XSがピッタリ収まるサイズです。
iPhone XS Maxなど、少し大きめのスマホだと収納するのは厳しそうです。
個人的にこのカメラバッグの限界収納はこんなところかな、と。
私はカメラストラップを使わずに、カメラバッグにカメラ出し入れしながら撮影するスタイルなので、レンズやレンズフードを着け外しながらバッグを使うという選択肢はありません。取り出してすぐ撮影するためにはカメラにレンズもレンズフードも装着したままバッグに収納します。なので、交換レンズを入れることはできません。
Peak Design EVERYDAY SLING 5L のレビュー
Peak Design EVERYDAY SLING 5Lを使ってみた感想としては、とにかく背中がムレて不快!の一言。
これはPeak Design EVERYDAY SLING 5Lだけでなく、ボディバッグタイプのカメラバッグ全般にいえることでしょう。
つい先日、散歩がてら紫陽花を撮影しにいきました。
6月のじめじめした気候の中、Peak Design EVERYDAY SLING 5Lを背負いながら撮影していたのですが、気がつけばカメラバッグに接した背中が汗だくに。
ボディバッグタイプのカメラバッグは、その性質上、体に密着するようにできています。
軽快に動き回ることを想定しての仕様だと思いますが、軽快に動き回ると汗で背中がムレて不快になるという矛盾。軽快にして不快、それがこのカメラバッグです。
私がそう思うのは、これまでずっとショルダーバッグタイプのカメラバッグを愛用していたので、比較ができるからなのかもしれません。
PORTER(ポーター)カメラバッグのレビュー スナップに最適なカメラバッグ
ショルダーバッグタイプは、ボディバッグタイプのように体に密着しないので汗でムレるようなことはありません。それを知っているからこそ、このボディバッグタイプのカメラバッグの不快さに気がつけるのでしょう。
ネットでPeak Design EVERYDAY SLING 5Lを検索すると、絶賛する記事や動画がたくさん出てきますが、他のバッグの快適さを知らないがゆえの発言なのかもしれない、と思って見たほうがよいと思います。あくまでその人の経験との相対比較にすぎない、と。
もうひとつ残念な点は、収納が少ないということ。
いや、正確にいうと収納箇所は多いのですが、ひとつひとつの収納に入れられる容量が極端に少ないのです。
iPhoneしか入らない前面ポケット、iPad miniのように薄型のものしか入れられないカメラ収納部側面のエリア、リモコンとレリーズぐらいしか入れられないカメラ収納部両脇エリア、バッテリーを入れたら後はレンズペンかPIXIがなんとか入る程度のフタ部分の収納。
考えてみてください、あなたがきっとこのカメラバッグを持って外にでるということは財布を持ち歩きますよね?しかし一般的なサイズの財布を収納できるような収納エリアはPeak Design EVERYDAY SLING 5Lにはありません。iPad miniの収納エリアに、NDフィルターなどを入れるのを諦めて入れるか、カメラ本体と同じエリアに収納することになるでしょう。長財布を使っている場合はもうどうにもなりません。私は二つ折りの比較的コンパクトな財布を使っていますが、それですら収納に困りました。不格好になるのを承知でiPad miniの収納エリアに入れるしかありませんでした。
同様に車のカギも問題になります。
カギはカメラに傷をつけてしまうおそれがありますので、完全に収納を別にしなければなりません。
私は車のカギに家のカギや職場のカギなどもまとめているので、かなりのボリュームになります。これを入れられるところが本当になくて・・・しかたなく、蓋の収納部分にミニ三脚のPIXIを入れるのを諦めて収納しました。
Peak Design EVERYDAY SLING 5Lは、収納容量に関してはかなり少ないと考えたほうが良いと思います。
このカメラバッグを快適に使おうと思うなら、コンデジ、またはズームレンズか単焦点レンズ一本だけで家の近所を撮影するような用途が思い浮かびます。旅行や出先でミラーレス機の相棒にするにはちょっと頼りない気がします。人にもよるとは思いますが。
私にとって難点の多いバッグではありますが、カメラバッグらしからぬデザインはやっぱり魅力的です。
カメラバッグにみえないカッコイイカメラバッグを探すと大抵はPeak Designの製品に当たります。その観点を重視して選ぶのであれば、このカメラバッグは最適です。街中でこのバッグを担いでいたとしてもカメラバッグと気づかれることはないでしょう。
デザインを重視するか、それとも機能性を重視するか。
いずれかで評価が大きく変わるカメラバッグですが、とにかく購入前に自分なりの撮影スタイルと必要な持ち物についてよく確認してみることをオススメします。