文章力を少しでも向上させるべく本書を手にとってみたのですが今の私には合わない本だったようです。
「私」の追放
主語がなくても意味が通じるのが日本語の特徴です。主語を削ると、いい文章になるのも日本語です。「山路を登りながら、こう考えた」とは夏目漱石の『草枕』の書き出しです。これに「私は」と入れると、どうなるでしょう。雰囲気まで壊れてしまいそうですね。「私」など、自分を指す人称代名詞は極力削ってください。
主語を文章から排除するというのは新しい考え方でした。
私の文章には「私」がよく登場するので今後はなくても文章が成立するかどうかをまず考えるようにしたいと思います。
接続語や副詞を削る
「ので」「~が、~」「だから」でつないでいる文章、けっこう多いんです。伝えたいと思うあまり用いるのでしょうね。
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ついでに「そして」「しかし」「おそらく」「さらに」……など、削れるものは削ってください。接続詞、接続助詞、副詞は筋道の通った文章を書き進めていくときには役立ちます。でもそのぶん、説明、報告調の冗長な文章になりがちです。読み直していらないと思えるものは削り、すっきりした文章にしてください
これもよくやっていますね。
ビジネス文章は論理的な説明を要することが多い「ので」つい使ってしまうことは多いですし、個人的には悪いこととは思っていなかったのですが今後は試しに削るように心がけていきたいと思います。
読ませるのか伝えるのか
僕の文章道は、何よりも「解り易く」書くということを主眼にしている。但し解り易くということは、くどくどと説明するということではない。反対に僕は、できるだけ説明を省略することに苦心して居る。もし意味が通ずるならば、十行の所を五行、五行の所を一行にさえもしたいのである。
できるだけ不要な文章を削除したほうが良いというのは賛同できますが、私のような素人はあまりコレを意識しすぎると手段と目的が逆になってしまうことが多く難しいです。
Amazonでのレビューはすごく良かったのですが、率直な感想として私にはどこか教科書的な文章の書き方で窮屈で退屈に感じてしまいました。
情報伝達手段としての文章と、小説などの読んで楽しむ文章の書き方は違うと思うのですが、本書ではそういった目的論的な観点からの文章術の紹介はなく、「文章」と一括りにされているせいか腑に落ちないと思う箇所がチラホラとありました。
「基本」なので本書のスタンスとしては決して間違ってはおらず、おそらく私がそもそも本書のターゲットではなかったということなんでしょう。
私の場合はこの本に書いてあることに従いながらブログを書こうとすると逆に書けなくなってしまいますね。
文章の「教科書」を読んでみたい方にはオススメできる本ですが、私のような教科書嫌いの方はスルーすることをオススメします。