お客さんを営業マンに!口コミ伝染病―お客がお客を連れてくる実践プログラム

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広告宣伝などにお金をかけずに「口コミ」で集客を行う方法について解説した神田昌典さんの本を読んでみました!

お客の質の違い

広告宣伝のお客は値切る、紹介された客は、感謝する

広告宣伝で美辞麗句を並べて集客したお客さんと、口コミで紹介されたお客さんの質は違うというもの。

口コミで紹介されたお客さんのほうがサービス提供者にとって嬉しいお客になりやすいということですね。

勝ち組と負け組の違い

勝ち組は変化を楽しむことができるのだ。過去のルールや変化を捨て去るいさぎよさを持っている。

負け組は成功体験にしがみつき過去の延長で仕事をしている。

「変化は必要」と思って行動することはさほど難しくはないですが、それを「楽しむ」というのはかなり余裕のある上級者でないと難しいですが、成功者がさらに成功しやすいのはこういう理由からなんでしょうね。

広告する商品を絞る

私は「販売する商品を絞り込んで欲しい」と言っているわけではなく、広告する商品を絞り込んで欲しいのだ。

販売する商品ではなく広告する商品を絞ればターゲットを店舗に誘導しやすくなるので、それから他の商品を売れば良いということですね。

ギャップで感動させる

つまり期待と現実のギャップが、人の気持ちを動かすのだ。

消費者の期待感はソコソコにして、それを上回るサービスを提供するようにするのが成功のポイントです。

多くの会社は期待を高めすぎて失敗する。「これもできます」「あれもできます」と期待させる。理由は、買ってくれないからと思うからである。ところが、これは逆効果。

「うちは、何と何はできません。その代わり、これは最高です」と言ったほうが、真実味がある。

あれもこれもというよりは「これだけは」といったほうが消費者に伝わりやすく効果が出やすいものです。

共感を呼ぶ

「この会社は、わたしのことを、わかってくれている」

この感想が自然に口から洩れるものになっているだろうか?それとも、自分の商品自慢のオンパレードになっているだろうか?

自分の製品やサービスに自信があると、気がつかないうちに商品自慢になってしまうことが多いので注意したいところ。

共感は裏の欲求から

共感というのは、表の欲求から起こるのではなく、裏の欲求から起こる。

表の欲求は、建前。裏の欲求は本音。
表の欲求は、目で見て分かるもの。裏の欲求は、想像して分かるもの。
表の欲求は、誰でも分かる。裏の欲求は、共感して分かるものである。

「おいしい寿司を食べたい」は、表の欲求。それでは裏の欲求は?「家事をしたくない」である。

お客のニーズの表面だけを捉えるのではなく、真のニーズ(裏の欲求)をしっかり捉えてアピールしましょう。

裏の欲求の探り方

「一体、お客は、どんなことに夜も眠れないほど、怒りや不安を感じているのか?」
「一体、お客は、どんなことに抑えきれない喜びを感じているのか?」

このように、お客を理解しようと、ほんのちょっとの努力をするだけでいい。

「自分達がどうなりたいか」ではなく「お客はどうなりたいか」ということにもっと注意を向ける必要がありますね。

行列の作り方

行列はいつかできると漠然と思っていても、できるものではない。行列は供給を絞ることによって、自ら作るものである。

その行列に並んだお客は、苦労して得たその希少な体験を話したがる。

行列は勝手に人気が出てお客が並ぶのを待つのではなく、自分から供給量を絞って能動的に作るようにすると良いそうです。

みんなに、ではなく、あなたに

全てのお客を愛そうとするから誰も愛せない。潔く、いらないお客は、ゴミ箱に捨てる。

こうすることにより、逆に、この会社に選ばれたお客は、自分のコミュニティを感じることになる。

「誰でもOK」は結果的に誰も対象にはなりにくいというのは理解できますね。

お客が口コミしたくなる動機

しゃべりたくするには7つの引き金がある。

スキャンダル、物語、十字軍、裏の欲求、行列、ヒーロー、コミュニティ

お客さんに口コミされやすい上記の7項目を意識すると良さそうです。

伝言ゲームで伝えられる簡単さに

難しい商品はしゃべってもらえないのである。

これは、伝言ゲームをやったときに、複雑なメッセージを伝えようとすると、伝わる精度が落ちてめちゃくちゃになるのと同じだ。だから口コミになる商品は、分かりやすい商品になることが多い。

自分たちの商品に愛着があるとどうしても相手にわかってもらいたくてアレもコレも説明してしまいがちですが、伝言ゲームをしても差異なく伝えられるくらいの簡単さにしておくほうが良さそうです。


本書は久しぶりのアタリ本と言って良い内容でした。

広告宣伝にお金がかけられないから、という消極的な理由でやるというよりは、そもそも口コミされないような製品やサービスではビジネスの成功は難しいということなんだと思います。

本書のエッセンスをビジネスに応用してお客さんに口コミしてもらえるようにしたいですね。