涙の数だけ強くなった女性の物語!裸でも生きる―25歳女性起業家の号泣戦記

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アジア最貧国のバングラディッシュ発のビジネスで発展途上国に貢献する女性起業家「山口絵理子」さんの体験記を読んでみました!

本書は女性起業家の本ですが男性ビジネスマンにとって様々な示唆に富んだ内容になっています。

本書の主人公の山口さんは語弊のある言い方になるかもしれませんが、良くも悪くも「女性的」で、論理ではなく感情で行動してしまう猪突猛進な人なのですが、その感情優先で後先考えぬ情熱と行動力に人は心を動かされるのだと教えられます。

本書の特徴としては「人との出会い」が他書に比べてあまり良い意味で語られないことにあります。

大抵、こういった本には「恩人」と語られ讃えられる人が登場して転機となることが多いように思いますが、本書では登場人物のほぼすべての人がホワイトサイドとダークサイドを併せ持った人間たちで脚色感を感じず生々しいまでの人間らしさを感じさせられます。

山口さんがそうしたクセのある登場人物たちの中で、時に立ち向かったり時に挫折したりしながら成功を目指していく姿に胸を打たれるんですね。

意図したものかどうかはわからないのですが、大半の書き手が「ものすごく大変だった」としてドラマチックに語るであろう出来事がサラッと書かれているところも逆に好感が持てました。

本書を通じて、問題発生→行動する→なんとかなった、というシンプルな流れをいくつも繰り返して今日に至った、という論調で、普通の人なら十分にドラマチックなことをドラマチックに感じさせないところに彼女の凄みを感じさせられます。

実際にはひとつひとつの出来事で大変な思いをされてきたことと想いますが、あまりにも人並み外れた艱難辛苦の数々にさらされたおかげで強靭過ぎるまでの精神力を身につけてしまい、それがこういった文章の流れを生むに至らせたのかもしれませんね。
最終的に成功といって差し支えないところまで至ったとはいえ、ひとりの女性の人生としてはそれが少し悲しくもあるように思うのは私のエゴでしょうか。

まさに「涙の数だけ強くなった」女性の物語、興味のある方はぜひ一読してみてはいかがでしょうか。

読みやすい本なので未成年者の方などに贈る本としてもオススメの本です。