前著「小さなチーム、大きな仕事 37シグナルズ成功の法則」(紹介記事)がとても良かったので、最近出版されたこちらも読んでみました。
前著が目からウロコがボロボロこぼれ落ちるような本だったのに対し、こちらはすごく共感できる友人を得た!というのが率直な感想です。
というのも、実は私自身が3年ぐらいリモートワーカーを続けているからなんですね。
リモートワークの厳しさ
これにはすごく共感できました。親友を得た気分でした。
多くの人はリモートワークときくと「サボったりしないの?」「通勤が無くて良いなー」といいます。
しかし、実はリモートワークというのは勤務態度などの評価が無いので言い訳のできない成果主義の働き方なんです。
他者の評価に晒されるのは基本的に成果物だけ。
本当に言い訳のできない世界なので、働き過ぎてしまうのがリモートワークの最大の難点なのです。
本書中にも、いかに働きすぎないようにするかがリモートワーク成功の鍵と書かれています。
オフィスに通う場合は、通勤作業だけでも仕事した気になることができ生産性の上がらない日でも自分をごまかすことができますが、在宅勤務の場合は成果物というカタチで生産性を証明しないとごまかしがききません。
これが本当に辛い。
私自身も働き過ぎて軽いノイローゼのような症状に陥ったことがあります。
だから本著のタイトルは「強いチームはオフィスを捨てる」なんですね。
弱いチームでは本当に難しいと私も思います。
リモートワークだからこそ
本作中にはリモートワークだからこそチャットによるマメなコミュニケーションや、ルールが大事だと幾度も説きます。
オフィスでは当たり前のようにできることが逆にリモートワークでは難しい。
そういったことを意識的に行っていかないとリモートワークはすぐに破綻してしまいます。
弊社でもスカイプなどを使ってマメに連絡を取り合っています。人恋しさか長くなりがちになってしまうのは玉にキズですが・・・。
リモートワークは厳しいが合理的な働き方
著者はリモートワークが簡単な働き方ではないとしながらも、その合理性に従うことが今後のビジネスマンのあるべき姿といいます。
確かに災害時にも強いですし、個人の夢の実現もしやすくなります。
ただし、経費的な観点からの導入はオススメできないと著者はいいます。
リモートワークはオフィス作業の「代替形態」ではなく、リモートワークは次世代の働き方であるから導入するのであって、経費をケチる意味での導入は絶対に失敗することでしょう。
逆に会社側がホームオフィスの面倒をみるので高くつくことがあることも覚悟したほうが良いかもしれません。
リモートワークはアリかナシか
個人的にもこの本的にも結論は「アリ」です。
しかしその後に「※ただし」とついてしまうのが現状だと思います。
ここ最近のテクノロジーの発展があってこそのリモートワークは歴史が浅く、未だそういった働き方に対する理解が社会全体から得られていないのは事実です。
その歴史の浅さ故に研究され尽くしていないので、コレ、といった成功法則が見当たらず導入が難しいともいえます。
しかし、一度やってみるとリモートワークがいかに人の人生にとって合理性のあるものなのかがわかります。
個人的にはこの先、ゆるやかに知的労働者はリモートワーク、在宅勤務へシフトしていくのではないかと思っています。
リモートワークという言い訳のできない働き方に潜む、厳しさや難しさがあるのは事実ですが、リモートワークの合理性とは逆のテクノロジーの発展に対しての旧来のオフィスワークという非合理性の観点からもシフトせざるをえなくなってくることでしょう。
すぐにとは言わずとも、オフィスワーク以外にも働き方の選択肢があることを知るために本書を手にとってみるのはいかがでしょうか。