MacBook Pro 16インチはApple純正充電器を使うべき理由

もしあなたがMacBook Pro 16インチ用に社外品の充電器をお探しなら、まずはこの記事をご覧になってください。考えなしに適当な充電器を買ってしまうと、MacBook Proの価値を自ら下げてしまう危険性があります。

ことの発端はコレ。MacBook Pro 16インチに付属してくるApple純正のUSB-C充電器です。140Wの出力でMacBook Proの高速充電に対応。スペックだけ見れば素晴らしいのですが、このバカでかいサイズはどうにかならぬものかと。昨今の窒素ガリウムによる電源アダプタ縮小化の流れに逆行するビッグサイズの充電器。これを喜んで持ち運ぶ人はいないでしょう。代用できる小さな充電器はないものか? 互換品を探すことにしました。

いろいろ探し回った結果、CIOの総出力100Wに対応したCIO-G100W3C1Aという充電器を買うことにしました。

この充電器はUSB-Cが3ポート、USB-Aを1ポートの計4ポートの出力に対応した充電器です。1ポートのみの使用なら100W、ほかのポートと併用した場合でも65Wの出力でMacBook Proを充電できます。

MacBook Pro 16インチは、付属のApple純正充電器こそ140Wですが、必ずしも140Wに対応した充電器でなくても充電できます。よくある65Wの充電器でも充電はできるんですね。高速充電はできませんが、電源に繋ぎっぱなしで使うなら65Wの充電器でも問題はありません。

Apple純正充電器よりコンパクトサイズなのに、MacBook ProだけでなくiPhoneやiPadなども一緒に充電できて、コンセント周りまでスリム化してくれるなんて……CIO-G100W3C1A、最高すぎる!

しかしそれが、悲劇のはじまりでした。

しばらくは問題なく使えているように見えました。MacBook ProとiPhoneが充電器ひとつで同時に充電できる。ゴチャついたコンセントまわりも一掃された。いい買い物をしたなぁ、そう思っていました。

しかしある時、気がついてしまったんです。MacBook Proの充電状況が頻繁に切り替わることに。

最近のMacBook Proはバッテリー保護のため、電源に繋ぎっぱなしのときは80%くらいで充電保留中になる仕様です。バッテリーの寿命を延ばすために、わざと満充電しないようになっているんですね。なのでMagSafeのランプは常にオレンジ色なのが平常です。ランプが緑色になるのは満充電になったときだけ。

なのに、私のMacBook Proは、MagSafeのランプが頻繁にオレンジ色になったり緑色になったりしていたんです。

これはひょっとして……

嫌な予感がして「Appleマーク → このMacについて → システムレポート → 電源」で表示される「充放電回数」を調べてみると、

あああああああああ!!!!

まだ買って2週間くらい、一度もバッテリーで使ったことのないはずのMacBook Proの充放電回数が「6回」に増えていました。

充放電回数についてご存知ない方のために説明すると、充放電回数とは「バッテリーの寿命」の目安です。MacBook Proのバッテリーは1,000回の充放電回数がバッテリー交換の目安とされています。なので充放電回数はできるだけ少ないほうが望ましいわけです。MacBook Proを売るときも、充放電回数によって売値が変わってしまいます。充放電回数はバッテリーを充電すると増えます。つまり電源に繋がずにMacBook Proを使い、減ったバッテリーを充電すると増えていくわけです。

そんな重要な数値であるバッテリー充放電回数が、一度もバッテリーで使ったことのないMacBook Proで増えていたというオカルト現象。MacBook Proの初期不良を疑いましたが、原因は充電器、そう、CIO-G100W3C1Aでした。

私はCIO-G100W3C1Aに、「MacBook Pro」と「iPhone用のAnkerの充電器」の2つを接続していました。この環境だとCIO-G100W3C1Aの出力は、MacBook Proに65W、iPhoneには最大で30W、となります。

そしてこの環境で「iPhoneが満充電になると、なぜかMacBook Proのバッテリー充電が始まってしまう」ことを突き止めました。

iPhone充電中のときのメニューバーのバッテリー表示。「バッテリーは充電停止中」と表示されています。

iPhoneが満充電されると、表示が「フル充電まで○時間○分」に変わります。つまりバッテリーに充電されはじめてしまうんです。

これは私の仮説ですが、どうやらiPhoneが満充電されると、CIO-G100W3C1Aはそれまで65WだったMacBook Pro側の給電を、100Wに変更してしまうのではないかと。そして出力が65Wから100Wに切り替わったMacBook Proは、そのタイミングでなぜかバッテリーを満充電しようとしてしまう、というわけです。

さらにこの状況でiPhoneの充電が減ると、CIO-G100W3C1Aは再びiPhone側に30Wで給電をはじめ、MacBook Pro側は100Wから65Wに減って給電されはじめる、と。そしてまたiPhoneが満充電されると………という悪夢のようなループ。この繰り返しで私のMacBook Proは購入から2週間ちょっと、電源挿しっぱなしにも関わらず、充放電回数を6回にまで増やすにいたったようです。

その後、MacBook Proに付属してきたApple純正充電器を使うようにしたら、充放電回数が勝手に増えていく現象はおさまりました。

結局のところ、原因はCIO-G100W3C1Aにあるというべきか、MacBook Proの充電管理システムにあるというべきなのかは特定できていません。しかしこのような充電器の使い方で充放電回数が増えていくのは事実です。何が原因にせよ、MacBook Proに付属してくるApple純正充電器を使っていればこの問題は発生しません。MacBook Proの充電器は、できるだけApple純正充電器を使うのをオススメします。デカくて嫌なんですけどね。

私と同じような現象に悩む人が、ほかに2人ぐらいいそうですので、記事にして残しておくことにしました。参考になれば幸いです。

CIO-G100W3C1ACIO-G100W3C1A