脳科学的な観点から習慣や行動を変えるコツを紹介した本「何をやっても続かないのは、脳がダメな自分を記憶しているからだ」を読んでみました。
想像力を活用する
「意志力」を鍛えるには、「根性」よりも「想像力」を使ったほうが、あまり無理をしないで習慣や行動が変えられそうです。
習慣や行動を変えたい場合は「根性」や「気合」で耐えるよりも、「想像力」を活用したほうが良いとのこと。
例えばダイエットをしたい人なら根性論を唱えてやめようとするよりも、「甘い食べ物=苦くて体に悪い」のように想像力を発揮したほうが良いということですね。ちょっと自己洗脳っぽいのかもしれませんね。
書くことで客観視する
自分の「考え」を書き出して、取っておくか、捨ててしまうかで、その後の思考が変わってくるのです。
頭の中では混沌としがちな思考も紙に書き出してしまうことで、モノを取っておくのか捨ててしまうのか、と同じように扱うという方法論は新しいですね。
相手にフォーカスする
「デキる人、かっこいい人と思われたい!」という欲を捨てて、「この人と話をして喜んでもらおう!自分が役に立つことが何かあるかもしれないし」という気持ちで話しかければいいのです。
これは「ブログを続けられない」人に多い傾向で、少しでも自分をよく見せたいがために文章にこだわりすぎて記事が書けなくなってしまう人は多いです。
「自分の考えを相手に伝える」のは難しいですし他者からの評価を気にしていると書けないのは当然です。「少しでも相手の役に立つかも」という視点ならば稚拙な文章でも楽に書けるようになるのではないでしょうか。
目線の使い分け
やる気を起こすときには「なぜ?」がわかりやすい第三者目線のトレーニングが良く、スキルアップのためには「どのように?」がわかりやすい自分目線のイメージトレーニングが良いことがわかります。
何らかの行動を必要とする時は、まず客観視しやすい第三者目線でイメージすることで「なぜ」やるのかを確認し、その後に自分目線でイメージトレーニングして「どのように」の把握に努めるようにすると良いそうです。
習慣化には「快」が鍵
習慣化したいのであれば、どうしたら毎回同じ「快」が得られるかを工夫してみましょう。
習慣化したい行動をするたびに「快」を感じるように工夫をすることでモチベーションを維持し行動しやすくなるというわけです。
かといってダイエットの後のご褒美に甘いモノなどではなく、あくまで本筋の意向に背かぬ「快」を得るようにする必要がありますね。
習慣化のコツは手抜き
同じ「快」や、報酬がえられるなら、できるだけ余計なことをしないように習慣行動ができあがっていきます。逆に言えば、敷居が高く工数が多い場合には、習慣化が起こりにくいのです。
まったく同じ結果が得られるのであれば、できるだけ楽な方法を選んだほうが習慣化する可能性が上がるということですね。
現状で習慣化している行動を振り返ってみると確かに余計なプロセスを省いた最小行動になっているので、逆説的に最小行動で行うことで習慣化を起こしやすくなるわけです。
60秒ルール
例えば、食事をした時に60秒以内に起こるのは、食べ物の味を味わうことです。そして、少し遅れて空腹感も満たされてきます。
それに比べて、食事をして体重が減ってくるのは何日、何十日も後のことです。頭では、痩せたほうが良いとわかっていても、少なめに食べたところで、すぐには体重が減らないことがダイエットを続けられない原因です。
習慣化したい行動の後「60秒以内」に「快」を得られるようにすれば習慣化まで継続することが容易になるというもの。
個人的な経験を振り返ってみると、ランニング後のアプリでの記録なんかもコレにあたるのでしょうね。毎回、今回走った距離や速度、時間が記録されるのをみるのが「快」になっているのだと思います。
やっていない状態を褒める
「やっていないことを褒めるなんて・・・」と思うかもしれませんが、実はこれはとても大事なことです。
習慣化したい行動には「はじめたい行動」と「やめたい行動」の2種類がありますが、これは「やめたい行動」の場合ですね。
例えばタバコは「吸っていない状態」を褒めてもらうと禁煙を継続しやすいそうです。
褒める側の人がこういうところに気がつける人でないと難しいところもありそうですが、身近な人が「やめたい行動」に取り組んでいる場合はぜひ実践してみたいテクニックです。
他人を動かすコツ
(60秒ルールに従うと)
部下が叱られた時に結びつけることは、「ミス」そのものではなくて「報告」になるので、結局、叱ったことで部下がしなくなのは「ミス」ではなく「報告」です。
この場合の正しい対処法は、まずは「よく報告してくれた」と60秒ルールに従って「快」を与えることだそうです。
まず怒ってしまうと60秒以内に「快」どころか「悪」を与えてしまい、やってほしいことをやってくれなくなってしまうわけです。
他人に何かを習慣して欲しい場合も自分の場合と同じく、まずは「快」を与えることを意識したいですね。
因果ではなく、行動の後に◯◯
普通は、「原因」が前にあって、「結果」が後に来ると考えますが、行動分析学では、逆の考え方をします。
行動の前に原因があるのではなく、行動がその後にくるものを誘発しているという考え方です。
これが個人的には面白いなーと思ったところです。
行動分析学的には、人は因果関係に従って行動しているのではなく、行動したからこそ結果があるという考え方なのだそうです。
行動の動機にあたる原因よりも、その後にくるものに目を向けるというのは面白い見方でした。
脳科学的な、というと難しそうなイメージがありますが、とても読みやすい本で一気に読めました。
本書に従って実践して良き習慣を身につけるべく頑張ってみたくなる本でした。