新潟県魚沼市と福島県南会津郡只見町を結ぶ街道「六十里越」。
実際の距離は六里(約24km)であったにも関わらず、一里が十里にも感じられてしまうほど急峻で険しい道のりからそう呼ばれるようになったそう。
どこまでも連なる山々が織りなす六十里越の美しい風景。
険しさのあるところ美しさもあるものですね。
絵画のような風景
新潟県と福島県の県境付近でこんな光景に遭遇しました。
スノーシェッドの合間に切り取られた、湖を抱く六十里越の風景。
その美しさは額に入れて飾られた絵画のようです。
湧き水が小さな滝のように激しく流れ落ちていました。
田子倉ダム
スノーシェッドの合間から見えた湖は「田子倉ダム」のダム湖。
田子倉ダムは六十里越の道中にあるダム。
六十里越の休憩地点としてちょうどよいところにあります。
昭和の香りが色濃く残る看板。
レストラン「レイクビュー」。
看板は「レークビュー」でしたけどね。
実はこの田子倉ダム。
意外なことに一般水力発電所としては日本第2位の出力のある水力発電所なのだそう。
昨年、訪れた黒部ダムと比べると見た目の迫力は見劣りしますが、わからないものです。
田子倉ダムの建設をめぐっては、ダム建設によって水没する住民側が建設側と衝突する社会問題に発展したそうです。
この衝突は「田子倉ダム補償事件」とよばれ、その顛末は小説、曽野綾子「無名碑」、城山三郎「黄金峡」、に著されています。読んでみたいですね。
六十里越を訪れたのは栃木県日光市への旅行の途中でした。
六十里越を越えると高速道路を使わなくても、新潟県長岡市から栃木県日光市まで3時間半ぐらいで行くことができます。
山中を突っ切るルートなのでコンビニなどはありませんが、美しい風景を眺めながらのドライブは、ゆとりを感じられて気持ちよく、オススメです。
夜中は真っ暗になるので恐怖と闘う覚悟が要求されますが。
黄金峡(城山三郎) – Amazon:田子倉ダムがモデルの小説