秋晴れの黒部ダム

いつか行ってみたいと思っていた黒部ダム(黒四ダム)に行ってきました。

この日は青空がのぞく爽やかな秋晴れ。

10月前半で日差しは暖かかったものの風は冷たく厚めのアウターがないと厳しかったです。黒部ダムは標高およそ1,500mのところにあるので当然といえば当然なのですが。
紅葉には早すぎると思っていましたが、高いところではもう色づき始めていました。

黒部ダムは自家用車では直接行けません。電気で動く「トロリーバス」という電車のような仕組みのバスに乗ってダムを目指します。
黒部ダムには富山県側からと長野県側から行く二つのルートがあるのですが、今回は行きやすい長野県大町市の扇沢駅から行くことにしました。扇沢駅まで自家用車で行ってトロリーバス1本で黒部ダムへ行くことができます。
富山県側からだとトロリーバスのほかにロープウェーなどを乗り継いで向かわねばならず、時間もコストも倍増します。こちらのルートは黒部ダムというよりは立山黒部アルペンルートの景色を愉しみたい方向けのようです。

黒部ダムの第一印象は大きいの一言。こんなに大きな人工建造物をよくこんな山奥に建てたものです。
あまりのダムの大きさに相当な水量を吐き出しているであろう観光放水が普通に見えます。サイズ感の物差しがバカになってしまうくらいダムが大き過ぎるのです。

この日は平日ということもあり観光客は少なめだった様子。中国語や韓国語らしき外国語が飛び交っていたのが印象的でした。黒部ダムは外国人の方にも人気の観光地のようですね。

ダム湖はキレイなエメラルドグリーン。

かの有名な黒部ダムカレーが食べられる黒部ダムレストハウス。真冬はこの建物が雪ですっぽり覆われてしまうそうです。雪降りすぎ。

レストハウス内からは黒部ダムを囲む山々を見ながら食事を愉しむことができます。

黒部ダムを模したアーチダムカレーは想像していた以上に辛くてびっくり。黒部は甘くはないです。

レストハウス脇には黒部ダム建設で殉職された方々の慰霊碑があります。ご冥福をお祈りしてきました。

黒部ダムは周囲を険しい山々で囲まれた絶景。あらためてよくこんな場所に作ったものだと驚嘆します。


感動したので帰ってから黒部ダム建設を扱った動画を漁りまくりました。
中でも石原裕次郎さんと三船敏郎さん主演の黒部の太陽が特に良かったです。
黒部の太陽は、1968年に公開された黒部ダム建設の破砕帯突破までを描いた作品です。
今から50年前、つまり半世紀前に公開された自分が生まれる前の映画ですが、感想はとにかく生々しいのひと言。
現代の映画とは撮り方や描き方がまるで違うからなのか、破砕帯を突破するまでのドラマのひとつひとつが生々しく、胸に突き刺さってきました。
見終わった後は、自分も社会のために何かしなくてはいけない、そんな気にさせてくれる映画です。
黒部の太陽には今の映画にはない「真剣さ」のようなものがあります。
機材も撮影技術も現代より劣っていた時代だからこそ、役者さん達の演技には鬼気迫るものがあり、撮影の苦労や脚本の工夫が随所に感じられました。
昔の映画だからといって色褪せているということはありません。逆に現代では新鮮に感じられるところがたくさんあります。
黒部ダムに行く前、行った後、にぜひご覧になることをオススメします。

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黒部ダムオフィシャルサイト
黒部ダム(Googleマップ)