「お金持ちになりたい!」というシンプルな動機と値段でなんとなく読んだ本でしたが、おそらく私の人生中で最も衝撃を受けた本になりました。
私が昨今、感じていた疑問の答えがすべて本書にあったといっても過言ではありません。
もちろん、万人が同じ読後感を持つとはもちろんかぎりませんが、私と同じ境遇にある人が読めば、間違いなくそのての本の中では頭ひとつ飛び抜けた特別な本になることと思います。
「好きなことをして生きる」、よく見かけるこの言葉の意味が本書でよくわかりました。
逆に「好きなこと以外」をやって成功するほうが至難の業だったんです。
自分の「好きなことで成功できるほど甘くない!」ではなく、自分の「好きなこと以外で成功できるほど甘くない!」なんです。
今思えば当然と思えることに昨日までまったく思い至らなかったのが本当に不思議です。
それほどまでに我々の受けてきた教育は「我慢して利他的であれば成功する」というパターン以外の成功の存在を認めないものだったのだと思います。
我慢も利他も決して間違っているわけではありません、旧来の「滅私奉公」が実は一番成功の難しいパターンなのです。
いうなれば「幸私奉公」であれば成功はそう難しくないのです。
自分の「幸せの源泉」と「豊かさの源泉」を知ろう!
まずは自分が「どんな時に幸せを感じるのか(幸せの源泉)」を把握しましょう。
先入観やしがらみといったものを一切排除してまずは純粋にこの問いを真剣に考えてみるのです。
幸せの源泉の周りにあるのが、その人の才能です。他の人には難しくても、あなたには何の苦労もなくできてしまうことです。
つまり、自分の「才能」というものは必ずこの「幸せの源泉」に近いところにあるのだと本田さんは解説されています。(本書内には自分の特性を知るための「特性自己診断チェックシート」というものがあります。)
次に自分の幸せの源泉を見つけたら、その「幸せの源泉の周囲でお金が発生しそうなこと(豊かさの源泉)」を考えてみましょう。
自分の幸せの源泉(好きなこと)を「書く、人に話す、グッズにする、売る、広める、教える、組み合わせる、プロデュースする、する人にサービスを提供する」などして「豊かさの源泉」を見出すのです。
こうして「幸せの源泉」の周囲に「豊かさの源泉」を見出すことこそが、もっとも簡単に楽に、そして早く成功する鍵なのです。
そしてその「幸せの源泉」と「豊かさの源泉」を組み合わせたサービスが何千人、何万人という人を喜ばせたり、生活の質を高めるものであれば、あっという間に豊かになれるというわけです。
「分かち合い」で豊かさの源泉を掘ろう!
私には昨今よく耳にする「シェア」という言葉はどこか抽象的な印象が拭えなかったのですが、本書で幾度となく目にするこの「分かち合う」という言葉は具体的でわかりやすいものでした。
前項で見つけた幸せの源泉の周囲にある豊かさの源泉を、世の中の誰かと「分かち合う」ことで掘り起こしていくのです。
この「分かち合い」が発生するところを本書中では「キャッシュポイント」と定義されています。
キャッシュポイントは、「得意なこと、経験があること、人が求めること、人が喜ぶこと、時代の流れや世の中の関心が向かうもの」で発生するといいます。
つまり、自分の幸せの源泉と他の誰かが求めるものが重なるところに、分かち合いが発生し、お金も発生するということですね。
そのためには「あなたが何を分かち合いたいのか、誰と分かち合いたいのか」を決めなければなりません。
このあたりがクリアーになっていると、あなたの成功はほぼ保証されたようなもの、と本田さんはいいます。
ビジネスは「与えるもの」と解説する本は多いですが、私には本田さんの「分かち合う」という考え方のほうが心にストンと落ちて納得できました。
口コミ共感型ビジネスを目指そう!
これは個人的すぎる項目なのですが、広告宣伝費や労力をかけず、そして自分達はお客さんのことだけを考えていれば良い「口コミ共感型ビジネス」こそ私が直近で目指すべきビジネスの在り方だと思いました。
特にこの本にかぎらずよく見かける内容であるのですが、本書ではビジネスEQのレベルとして他のビジネス型と共に紹介されており、それらと比較していかにこの「口コミ共感型ビジネス」が素晴らしいものなのかがわかりやすかったのであえてメモしておくことにしました。
USPを明確にしよう!
USP(Unique Selling Proposition)といって「あなたならではの売り」を明確にすることが幸せに成功するポイントです。
あなたの大好きなことや、あなたらしさを突きつめて考えることで見いだせるものだと思います。
周囲と差別化するために、あなたらしさから離れてビジネスを展開しても、幸せに成功することはできません。
あなたの本質から生まれるものだということを、忘れないようにしてください。
つまり、無理なく自分らしいことで、他者から見ても特徴的なところがあなたのUSPということです。
USPというと、そこに「自分」を入れずに強引に強みとして形成しようとしがちですが、それでうまくいかなかったのはやはり「自分」を無視してしまっているからなのだと思います。
そしてUSPがハッキリすれば、おのずとそれを欲しいと思う人がどんな人なのかも特定されてくる、と解説されています。
「面倒くさくてイヤなこと」は好きなことでもあると知る
個人的にはずっとこれを誰かに答えて欲しいと思っていました。
私はどんな作業をしていてもこの「面倒くさくてイヤなこと」を感じると「これは自分に向いていないのでは」と感じていました。
もちろん、そうでない可能性も考えてはいたので心の中はいつもモヤモヤしていたのです。
けれど、本田さんのように成功者であり、成功者の知人が多い人に、
(面倒くさいと自分が感じると)普通の人は、これをライフワークではないサインだと取り違えてしまうのです。面倒くさくなったり、イヤなことが出てくると「ああ、これもやっぱりライフワークじゃないんだな」と考えてしまうわけです。
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彼らの人生も24時間100%楽しいだけではないのがわかります。
人間である以上、必ずイヤなこともでてきて当然です。どんな好きなことをやっていても、面倒くさいことがでてくるものです。
と教えられたことで、一気に霧が晴れた気がします。
私にとって自らが目指すべき場所にいる成功者の方がそういってくれたというのは十分な根拠としてすがれるものになり得ます。メンターの必要性も同時に知りましたが。
つまり、「面倒でイヤ」と感じた=ライフワークではない、ということで判断してしまってはいけないということですね。
これにより、これまで私が「面倒くさくてイヤなこと」の発生を感知したことを理由に「この作業は自分に向いていない」と思って苦手意識をもっていたことが、実は「自分に向いていること」だったかもしれないとの考えに至りました。
今一度、これまでの先入観を捨て、自分に真に向いている作業とは何なのか、ということについて見なおしてみたいと思います。
「自分らしさ」と「独りよがり」は違うことを知ろう!
これは私がよく錯覚してしまうことなのでココに書くことで肝に命じておきたいと思います。
「自分らしさを大切に表現すること」と「自分の独りよがりを押し付けること」は似ているようで違います。
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成功するためには、多くの人の支持が必要です。いかにそれが素晴らしいと自分が感じていても、周りがサポートしてくれないと、あなたの未来は明るいとはいえません。
私は「自分の思う相手にとって素晴らしい提案」をすることが相手にとって価値になると普段から考えています。それが自らの価値なのだとこれまで思ってきました。
その意見を途中で曲げることは、「最初に自分が素晴らしいと思っていたことは間違えていた」ということを認めることになってしまうのが怖くて気がつくと独りよがりになってしまっているんですね。
最初の意見で相手も自分も納得した場合は何も問題ないのですが、合意が得られない場合はどこから独善的になっていくのです。
つまり、ファーストタッチがすべてであるという一発勝負の世界になぜか気がつくとなっているんです。
一太刀目ですべてが決まる武士の真剣勝負の世界に生きているようなものです。
そう思えばこそ武士が最良の一太刀目を放つべく自らの剣技を日々磨くように、私も最良の一太刀目を放つべくこれまで頑張ってきました。
自分なりにあらゆる事情を鑑みた理論を作り上げそれに基づいた成果物を作成します。そしてそのすべてを一太刀目にかけ斬りつけるわけです!
・・・結果、それが空振りに終わると、二太刀目はありえないというわけです。
そういえば潔くてきこえは良いですが、単に一太刀目がかわされたらやさぐれてやる気を無くすというのが本音なのです。
残念ですが武士でもよほどの剣豪でもなければ一太刀目で相手を死に至らしめることは難しいでしょうし、まして私は生死の勝負をしているわけでもありません。
書いているうちに興がのってしまったのですが、もはやこの対決構図を例に出すという意識こそが最大の間違いなのだと思います。
これが「独りよがり」になってしまう経緯なのですが、「自分らしさ」というのは他者の意見を取り入れてこそのものなのだと思います。
つまり、自分の意見のみで構成されたモノに「自分らしさ」というのは難しいのではないかと。それは「自分らしさ」ではなく「独りよがり」なのでしょう。
逆に他者の意見の中に「自分ならではの見解」を入れるほうが「自分らしさ」が表現できるのだと思います。
この問題は私が最近提唱するところで本書でいうところの豊かさの源泉であるところの「無意識のプロフェッショナル」の反対版ですね。
無意識なだけに気がつきにくく修正が難しいのですが、まずはアンテナを高くしてそれに「気がつくこと」に注意を向けていきたいと思います。
セルフイメージを高めよう!
成功者は、イメージが現実を作り出すメカニズムを使っています。先に成功した状態をどれだけリアルにイメージできるかが勝負です。
セルフイメージが自分の潜在意識にはたらきかけて云々、というのは成功本ではよく語られていることではあります。
つい最近読んだ他の本にも「目標を紙に書いてイメージする」とあり、「実践してみよう」と感想文を書いたばかりなのですが、未だ実現せず・・・・。
一応、自分的には「頭の中で整理してから」というそれらしい言い訳はあるのですが、ゆくゆく考えてみればとりあえずなんとなくで書いてアップデートしていく、という考えで始めてみても良いわけですよね・・・。
本書ではいくつかのセルフイメージを高める方法が掲載されていますが、こういうことをやはり疑いなくさくっとやってみれる人が成功するのでしょう。
今一度戒めるために書いておきますが、そういった手法は決してコストやリスクがかかるものばかりではありません。この事実を理解し取り組んでみることにしましょう。
あまりに衝撃的な本で素晴らしい本でしたが、私の感想文がそれを伝えられている気がここまで書いてきて一切しません。
正直な話、後半は書いていて疲れてしまったのも事実です。あまりに多くの素晴らしいことが書かれていたのですが、それゆえに物量に私のキャパシティが追いつかないのです。
多分、私がこの本で「良い!」と思った部分をすべて書いていくと、この本と同じ厚みの本がもうひとつ世に出てしまうでしょう。それくらい金言に溢れている本なんです。
なので、とにかく電子書籍版では300円くらい(2014年12月時点)で読めますので読んでみてください。
いかにこの本が素晴らしいかということと、私の感想文がいかにひどいかを知ることができることと思います。