「好きなこと」を仕事にすればファンもブランドも後からついてくる!

あのAppleからも視察がくるほど世界的に注目されているアウトドア企業スノーピークの社長「山井 太」さんの著書「スノーピーク「好きなことだけ! 」を仕事にする経営」を読んでみました!

ユーザーが全て

オートキャンプ市場に参入した直後、あるチェアに対して、ある販売店の店頭で顧客から「傾斜地で使ったら、後ろに倒れた」というクレームを受けたことがある。「そんな場所で使ったら、倒れても当たり前だ」と私も最初は思った。しかし、クレームになったのは、顧客の実感として、「この程度の傾斜の場所ならば、アウトドア用のチェアが後ろに倒れてはいけない」という感覚があったからに違いない。だから、私は倒れたこと自体がとても悔しかった。

常識的に判断してユーザーの使い方が悪いといえてしまいそうな場合でも、そのクレームこそ「ブランドへの期待の証」「ブラッシュアップのチャンス」と受け止めて製品づくりに活かす姿勢が大切ですね。

市場で独自の役割を果たす

しかも、競合のいる製品は陳腐化し、コモディティーになる。そこから導き出せるのは価格競争しかない。ユーザーにとっては安く買えるようになるかもしれないが、それはスノーピークが果たすべき役割ではないと思っている。むしろ、私は作り手として多様な価値観や製品の選択肢をユーザーに与えたい。他社が右に進んだら、あえて左に進む。そんな思考回路の会社でありたい。「勇気がある」と言われることもあるが、スノーピークができるのであれば、どこの会社にもできることだ。

会社の存在意義を「社会で果たすべき役割」で考えられる経営者がいることが成長する会社の条件ですよね。

売れるまで待つ

スノーピークには同じように「コンセプトはいいが、まだ売れていない製品」がある。それでも売れないからといって、すぐに廃番にすることはない。こうした製品は3年くらい後になってから売れ始めることが多い。発売時期と売れる時期にタイムラグが発生するのは、スノーピークの製品が社会にフィットするスピードよりも少し早く世に出ているからだ。

個人的にはこの点がスノーピークはすごいなー、と。もちろんファイナンス的なことがうまくいっているからできることだと思いますが、売れるまで在庫を抱えておく覚悟があるというのはすごいことですよね。

スノーピークはマーケティングを一切しないそうですが、自分たちが本当に欲しいモノだけを追求していることがうかがえる一節です。

常識の集積と創造

経営とは何かと問われたら、私は「常識の集積と創造」だと答える。卓越した常識あるいは原理原則を見抜く力といってもいいかもしれない。このため、定型化したセオリーを知っておいたほうがいいに決まっている。

「好きなことだけ」を仕事にする、というと感覚的に経営しているような印象を受けますが、実際は非常にロジカルに経営を捉えられている方で、セオリーをふまえた経営をされているようです。

好きなことをしよう

自分たち独自の目線を持った会社はあまりに少ない。売上高や利益ベースだけで考えて製品をサプライしているだけの会社が多すぎる。思考軸がライバル会社に対してどうするかに基いていて、「好きなことをしよう」という発想が感じられないケースが目立つ。これはとても残念なことだ。

誰しもが自分の「好きなこと」でビジネスができたら最高だと思いますが、それを貫くことのなんと難しいことか。気がつけばライバル会社の動向や会計書類を根拠に意思決定をしてしまっているというのはよくきく話です。

今一度、自分が本当に「好きなこと」を確認し、「好きなこと」を活かして市場に独自のポジションが持てぬものなのかと考えてみたいですね。


スノーピークというとこのブログでは過去に「スノーピークのブランド「雪峰」のお猪口」を紹介したことがありましたが、その独自性と品質の高さの秘密の一端に触れることができた気がします。

本当に社長を筆頭としたスノーピークの社員がアウトドアが好き、会社が好き、というのがバシバシ伝わってくる本でした。

経営本やサクセス・ストーリー本というよりは「ものづくり本」といったほうが適当という印象です。

経営やモノづくりに携わっておられる方は一読されてみてはいかがでしょうか。

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