「より少なく、しかしより良く」を実践する思考の片付け術「エッセンシャル思考」のポイントを学ぼう!

「選択と集中」がテーマの全米ベストセラーにもなった書籍「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」を読んでみました。

エッセンシャル思考とは

エッセンシャル思考とは、「より少なく、しかしより良く」を貫く生き方だ。それは未来へ向かうイノベーションである。

「多くを手に入れることが決してより良くなることを意味しない」という考え方は、私たちにとって珍しいものではなくなってきました。

この「エッセンシャル思考」は日本でいうところの「断捨離」に通じるもので、モノだけでなく思考についても不要物を排し、「何が重要か」を常に考えて行動していこうというものです。

3つの嘘と真実

エッセンシャル思考を身につけるためには、これら3つの嘘を捨て、3つの真実に置き換えなくてはならない。 「やらなくては」ではなく「やると決める」。 「どれも大事」ではなく「大事なものはめったにない」。 「全部できる」ではなく「何でもできるが、全部はやらない」

自分をスペシャリストではなくゼネラリストと思っている人の大半は、実は単に優先順位による取捨選択ができていないだけだ、というのは多いのではないでしょうか。私も心当たりがなくもないですね。

その背景はスペシャリストの排他的な生き方によるリスクよりも、ゼネラリストの万能的な生き方のほうがリスクが低い、と捉えてしまうリスク評価の在り方が原因だったりします。

しかし人間の人生というのは期限付きなのです。無限にあるわけではない時間資源を使って効率よく成功するためには「選択と集中」がやはり不可欠なのです。

文脈から意味を見出す

あらゆる事実には、本質が隠されている。すぐれたジャーナリストは、情報の断片を調べ、それらの関係性を発見する。部分の集まりから全体像をつくりあげ、人びとに通じる意味を付与する仕事だ。単に情報を受け渡すだけなら、誰にでもできる。ジャーナリストの存在意義は、そこに本質的な意味を見いだすところにある。

これはまさにブログ記事などにもいえることだと思います。

ブログの書き方についてあまり高尚なものにしてしまうと継続が難しくなるのでオススメはできないのですが、PVを多く集めるブロガーさんは常にコレを考えているのではないでしょうか。

単に情報を右から左へ流すのではなく、その情報に対して自分の文脈から見出される意味を付加しているのです。そしてその付加した部分が大多数に指示されると、人気ブログになったりするわけです。

捨てるための思考法

古めかしい肩パッド入りジャケットと決別するためには、こう考えてみるといい。「これをまだ持っていなかったら、今からお金を出して買うだろうか?」買うと言いきれないなら、それは必要ではない。仕事でも生活でも同じだ。「もしもこの話が来ていなかったら、自分から積極的にチャンスを求めに行くだろうか?

人間は既に所有しているモノに対して過剰なまでに価値をつり上げてしまう傾向があります。それはモノだけに限らず思考などについても同様のことがいえますよね。

しかし人間の容量は有限なのです。明確な基準を持たぬ有限は無限と錯覚しやすいのですが、中身が溢れでた場合は精神や身体に変調をきたすことからも限界はあるといえるのです。

極力、不要なモノ・コトを持たずに生きなければなりません。そのためにはやはり「捨てる」という作業が必要です。その際には上記引用の方法を採ることで前述のような思考バイアスに因われることなく作業できるようになるのではないでしょうか。

「もったいない」の弊害

 「サンクコストバイアス」とは、すでにお金や時間を支払ってしまったという理由だけで、損な取引に手を出しつづける心理的傾向のことだ。「ここでやめたら今までの投資が無駄になる」と思うあまりに、望みのない投資を重ねてしまう。これが悪循環を生み、投資額が増えれば増えるほど、脱け出すことが難しくなる。

サンクコスト、日本語でいうところの「埋没費用」ですが、日本人は特にコレにとらわれてしまう傾向があるのではないでしょうか。

その理由は「もったいない」という言葉の誤用にあるのではないかと。

辞書によれば「もったいない」は「有用なのにそのままにしておいたり、むだにしてしまったりするのが惜しい」とあり、「有用」であることが明確である場合に使われる言葉であるはずなのですが、有用か無用かの判定をせずに取得に際してかかったお金や時間といった「費用」に対して「もったいない」といわれることは多いですよね。

「高かったからまだ持っておこう」、「時間をかけて制作したものだから」、といった理由で捨てることを躊躇っていてはモノやコトが溢れてしまうのは必至というもの。

自らが所有するモノ・コトには冷徹に「有用か無用か」という観点を導入して取捨選択するようにしなければなりませんね。

所有することをやめる

行動やプロジェクトが「自分のもの」だと感じるとき、そこから離れることはひどく難しくなるのだ。

これはかつて私がかかった病気だったので自戒の意味を込めてメモしておくことにしました。

この考え方にとらわれると仕事を外注したり、人に頼ったりすることができなくなり身の回りがコトで溢れたり、プレッシャーで押しつぶされてしまいます。

これは完璧主義に起因する悪習のひとつなのですが、私はこの問題をむしろ徹底的に完璧主義になることで脱することができるようになりました。感情といった不安定な要素を排除して完璧に論理的に捉えるようにしてみたのです。

するとまず、仕事で行われる行動は「会社」のものであることに気がつきます。なので当然のことながら自分の行動が会社に仇をなすようではいけません。これを理解し行動している人には、その行動について会社がしっかり責任を持ってくれるのです。

そして「プロジェクト」などの案件は「お客様」のものです。これも当然のことながらプロジェクトの最終決定権はお客様にあるということをしっかり理解してお客様の意見を尊重して行動していれば、万が一にプロジェクトがうまくいかなかった場合の責任は自分にあるのではなくお客様にあるのだということが理解できるはずです。

相手に責任を押し付けているようで抵抗感がある・・・と思った方は責任感のある立派な方、といいたいところですが、その気持ちの裏には「自分の思い通りにやりたい」という部分が見え隠れしてはいないでしょうか?

モノもコトも所有することで自分の思い通りにすることはできますが、それは同時に責任を背負う行為であるということを忘れてはなりません。

逆に考えて、モノもコトも所有しなければ責任も負わなくていい、と捉えれば身軽になって動きやすくなるのではないでしょうか。

減らして価値を増やす

ただノーと言うだけなら、3歳児にもできる。編集の技術は、ただ減らすことにあるのではない。減らしながら、価値を増やすのだ。すぐれた編集技師は、余分なものを削ることによって、そのプロットや世界観やキャラクターをいっそう際立たせる。

減らして価値も減らすのは簡単ですが、究極的には減らすことで価値を増やすことができるようになるのが目標ですよね。

個人的には「増やして価値を増やす」と「減らして価値を増やす」というのは同じくらいの数が身の回りにあるものだと思っています。

ただ、「減らして価値を増やす」は先述したように所有物に過剰評価を与えてしまう我々の心理が邪魔をして見つかりにくいのです。

そんな場合はこう考えると心理的にラクになって取り組みやすくなるかもしれません。「増やして価値を増やす」はお金などを使って取得するわけですからコストがかかりますが、「減らして価値を増やす」はコストがまったくかかりません。つまりタダでできて価値が増やせる!と。

モノを買ってはレビュー記事を書きまくっている私がいうのもなんですけどね^^;

増やすより減らすほうが難しい

 「すみません、もっと時間があればもっと短い手紙が書けたのですが」  さまざまなバージョンで伝わっている有名な言葉だ。何事においても、増やすよりは減らすことのほうが難しい

これは使えそうな言い回しだったのでメモしておいて今度使おう、と。

そもそもこの記事も短時間で一気に書くものだから長くなりがちなんですよね。

他人の問題を横取りしない

人助けが悪いことだとは言わない。他人の役に立つのはうれしいものだ。だが、本人が解決すべき問題を肩代わりするのは、人助けではない。その人は問題を解決しようとしなくなり、よけいに問題から脱け出せなくなってしまう。

これは心当たりのある方がいらっしゃるのではないでしょうか。

自分が大きな負担をしてまで、良かれと思ってやっていたことが長いスパンで見ると相手のためになっていなかった、ということは意外に多いものです。

他人の問題を肩代わりするのではなく、あくまで問題解決自体は相手にさせる。魚を釣って上げるのではなく魚の釣り方を教えてあげるくらいがちょうど良い距離感なのかな、と思います。

小さくても前進する

「職場において感情・モチベーション・認知を高める諸要素のなかで、もっとも重要なのは、進歩しているという手応えである」と彼らは言う。最初から高望みをして途中で挫折したら、何も残らない。少しずつでもいいから結果を出し、地道な成功を積み重ねたほうがずっと生産的だ。成功は次の成功を生み、やがてそれらは飛躍的な達成へとつながっていく。

ビジネス計画やプロジェクトにおいて最も大事なのはこの点だと私も共感できます。

人は自分がやっていることの効果が実感できないとテンションが下がっていってしまいます。暖簾に腕押し、糠に釘打ち状態といいますか。

なので私がやっていることとしては、ビジネス計画やプロジェクトにおいては、ポジティブな変動を把握しやすい「指標」をひとつ定めて、常にに確認する体制を構築するのが成否を分けるコツなのかな、と。

ほんの少しずつでもポジティブな変化を実感できていれば、忍耐が必要な場面で耐えることも容易にできますし、重要な決断の際の説得材料にもなるのでオススメです。

「今」しかない

考えてみると意外だが、そもそも私たちには「今」しかない。未来や過去は想像のなかにあるだけで、けっして触れられない。私たちの行動が何らかの力を持つのは、今ここにおいてだけなのだ。

ちょっとぶっ飛んだ話な印象を受けますが、これは真理ですよね。結局のところ未来や過去は想像の中にしかないのです。

過去に関しては想像の中、というと違和感がある方がいらっしゃるかもしれませんが、結局のところアナタが認識している過去は、あなたの想像力によって作られたモノにすぎないのです。

つまり未来と同じく過去も実は解釈によって変わってしまう不安定さがあることを認めると、確実なのは今ココにあること以外に何もないといえます。

まずは自分の力が及ぶ「今ここ」に集中することに神経を尖らせておきたいですね。

結局のところ、今がうまくいけば、過去の出来事に肯定的な解釈が可能になり、未来に明るい兆しが見えるものです。


本書は「シンプル」「断捨離」などのキーワードに該当する人や、合理的・効率的な生き方を目指したい人にはオススメの本です。

が、私は以前はそういう傾向があったものの、最近は「効率化よりは最適化」を重視したいと考えているので、少し窮屈さを感じて読んでいて息苦しく思うところもありました。

私のように「選択と集中」に疲れて疑問感をもっている方は同じ感想を抱く危険性がありますが、盲目的にストイックに「選択と集中」をしていきたい方には参考になるのではないでしょうか。

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